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東大、シナプス刈り込みのメカニズムを明らかに
図内左の「Wild-type」は通常のマウスのシナプス刈り込みのメカニズムを、図内右の「γ-2 PC KO」は神経伝達物質を受け取る蛋白質の量を制御しているTARPγ-2という分子をプルキンエ細胞で欠く遺伝子改変マウスの刈り込みのメカニズムを模式的に表す(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の狩野方伸教授らによる研究グループは、過剰形成されたシナプスが選別される刈り込みのメカニズムを明らかにした。
生まれたばかりの動物の神経系には過剰なシナプスが形成され、発達にともなって必要なものだけが残る「シナプス刈り込み」がおこなわれることが知られている。これまでの研究で強いシナプス結合は生き残ることが分かっているが、相対的な結合の強さが重要なのか、絶対的な結合の強さが重要なのかは不明であった。
今回の研究では、遺伝子改変マウスを用いて、小脳の登上線維−プルキンエ細胞間のシナプス結合を観察した。その結果、生後7~11日目のシナプス刈り込みでは相対的に強いシナプス結合が残ること、そして生後12~16日目には個々のシナプス結合の絶対的な強さが重要であることが明らかになった。
今後は、大脳皮質・海馬・線条体などのシナプス結合のメカニズムも解明することで、精神疾患の原因究明に役立つと期待されている。
なお、この内容は8月7日に「Cell Reports」オンライン版に掲載された。
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