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心構えが甘い? 大量退職する新人警察官
警察官は、意外なほど退職率が高い。2013年の大阪府警察学校においては、入校した600人のうち1か月で1割が辞めていた。高知県警でも12年度には82人中24人も辞めている。こうした新人警察官の大量退職は現代の特徴でもある。[写真拡大]
退職率が高い職場とはなんだろう。危険な仕事や重労働、時間拘束の長い労働環境などがあげられる。また給与が低いという理由や、残業代が支払われずサービス出勤を求められることも。その点、公務員ならきちんと労働環境は守られているだろうし、給与も悪くないと思う人は多いかもしれない。しかし警察官は意外なほど退職率が高いのだ。
警察官は採用試験に合格したのち、全寮制の警察学校に入学し「初任科教養」を受ける。大学卒業相当者は6ヶ月間、短期大学や高等学校の卒業者は10ヶ月間となっている。初任科教養では警察官としての倫理意識を高め、一般教養や職務に必要な法的知識などを学ぶ。実技面では拳銃の扱い方をはじめ、逮捕術、救急法、柔道や剣道の授業も行われる。特に体力面の強化を目的とした訓練は厳しいようだ。ときには15キロもの重さのある機動隊の装備を身につけてランニングを行う。寮での集団生活や厳しい規律に慣れることができずに、ストレスを溜めてしまう者もいる。
こうした警察学校の厳しさに耐えかねて、退職する初任科の学生は多い。2013年の大阪府警察学校においては600人が入校したが、1か月後には1割が辞めていた。高知県警でも12年度には82人中24人も辞めている。こうした大量退職は、最近になって特に著しいようだ。50代の刑事部長は「自分の時代には辞める人はめったにいなかった」と言う。その原因として考えられているのが、若者の心構えの甘さだ。新人警官の中には「逮捕することが怖い」「現場に出たくない」ということを洩らす者もいるという。就職難によって安定を求めて公務員を目指し、公務員ならなんでもいいという気持ちから警察官の採用試験を受けるという人が増えている傾向にあるのだ。
大阪府警では学生を対象にした説明会を実施し、職のミスマッチを防ぐためにも、警察官という仕事の難しさを事前に知ってもらおうと働きかけている。また、エントリーシートを導入し、学生の個性や適性などをより詳しく把握できるよう努めている。給与や職の安定性も重要だが、職務意識を学生が自覚することも必要だろう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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