東大、電子回路で人間の脳を外からアシストすることに成功

2014年7月31日 22:34

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東京大学の眞溪歩准教授による研究グループが開発した電子回路を利用して脳の機能を操作できる手法(経頭蓋細胞外インピーダンス制御:tEIC)の模式図(東京大学の発表資料より)

東京大学の眞溪歩准教授による研究グループが開発した電子回路を利用して脳の機能を操作できる手法(経頭蓋細胞外インピーダンス制御:tEIC)の模式図(東京大学の発表資料より)[写真拡大]

 東京大学の眞溪歩准教授による研究グループは、電子回路の信号によって人間の脳を外からアシストすることに成功した。

 人間の脳は神経細胞の電圧によって制御されており、その電源はシナプスが担っている。これまで、直流電流を頭部に流すことで脳の機能に影響を与える手段は開発されていたが、活動している神経細胞のみに部分的に影響を与える方法は存在しなかった。

 今回の研究では、負の電気抵抗を持つ電子回路を人間の頭部に取り付けて、マウスをクリックする行動実験をおこなったところ、被験者14名のうち13名の反応時間が向上した。この方法は、電源ではなく抵抗を取り付けただけであり、活動している神経細胞にのみ影響をおよぼすという特徴を持っている。

 今後は、好きなタイミングで脳活動を強めたり弱めたりすることができるようになると期待されている。

 なお、この内容は「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。

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