敢えて高配当利回りJQ株でインカム・ゲイン狙い、これならFRBもお咎めなしか?!=浅妻昭治

2014年7月22日 15:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

  いまとなっては、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の7月15日の議会証言を素直に聞いて置くのだったと悔やんでいる投資家も少なくないはずだ。同議長は、小型株やバイオ株、ソシャルネットワーキングサービス(SNS)株が割高に買われ過ぎていると警告を発していたのである。

  米国市場では、同証言に「敬意を表す」ように値動きの激しいモメンタム株とされるフェイスブックやバイオ株が下落した。ところがわが東京市場では、大手新聞でLINEの正式上場申請や、また大手石油元売りが、水素ステーションを増設すると報道されたこともあり、「敬意を表する」か、「ご意見無用」とばかりに開き直るか判断が分かれ、日本版モメンタム株は高安マチマチとなった。

  このときに、「たられば」が通用するとして、仮にウクライナ上空でマレーシアの民間航空機が撃墜されたことや、イスラエルが、パレスチナのガザ地区に地上進攻し地政学リスクが高まることが分かっていたならば、当然、投資判断は違っていたはずだ。もちろん、それでも「懲りない面々」は顕在で、3連休前の18日には、日本通信 <9424> (JQS)が、NTTドコモ <9437> に音声通信網との正式接続を正式に申請したことを手掛かりに買い上がるケースは跡を絶たず、同社株は大陽線による包み足を示現した。

  これに加えて新興市場では、IPO(新規株式公開)株人気が再燃し、IPO初日は買い気配を切り上げたまま商いが出来ず、2日目に公開価格の何倍もの倍率で初値をつける銘柄も続出するに及んで、IPO株バブル的な色彩も帯びることになっているから、投資家心理とすれば、どうしたってモメンタム株には高値売り逃げか突っ込み買いか、プラス対応かマイナス対処か大きく揺れ動くことになる。

  新興市場株を中心とする日本版モメンタム株は、値動きの軽さを特徴にしており、ヒット・アンド・アウエーの超短期投資を狙う誘惑にはいつも背中合わせとなるのは当然だが、新興市場株が、すべてこうしたハイリスク・ハイリターン銘柄、バクチ株とみるのは、少し勘違いがある。この勘違いは、試しに連休前の18日終値現在での全市場トータルの配当利回りランキングを瞥見するだけで直ちに氷解するはずだ。この配当利回りランキングのトップ10位には、第2位にランクインするクリップコーポレーション <4705> (JQS)を筆頭に、実に6割の6銘柄がジャスダック(JQ)市場株で占められ、これをトップ20位まで広げると、JQ株の占有は13銘柄、シェアは6割5分までアップする。

  株式投資のリターンには、キャピタル・ゲインかインカム・ゲインかの2つがあり、ジャスダック市場株は、このキャピタル・ゲイン狙いの典型セクターと位置付けられてきたが、保守的な投資スタイルのインカム・ゲインでも見落とせない投資妙味を内包していることになる。このことは、相場全般に膠着感が増したらJQ株で値幅取りに舵を切るのと同時に、JQ株の配当権利取りで嵐の収まるのを待つのも有効な対処方法になることを示唆している。3月期決算会社の第1四半期(4~6月期、1Q)決算がこれから本格化、この決算動向が、株価にプラスに働くかマイナスに作用するか不透明な足元の相場環境下、意外と思われるかもしれないが、JQ株の配当権利取りに一考余地が拡大してくることになりやしないかと推測されるのである。これならイエレン議長だって、妥当な投資スタイルとお咎めなしとすることは、想像に難くない。

  もちろんこのインカム・ゲイン狙いは、株式投資の本流から外れるゲリラ的な投資スタイルの一種であるから、銘柄セレクトには厳選の上にも厳選の必要がある。チャートを参照すれが明らかだが、一部の高配当JQ株は、ボラティリティ(変動率)がことのほか低い。むしろ底値圏で小動きの繰り返しとなっている銘柄が多い。そこを諦めず粘り切れるだけに好実態株にアプローチしなくてはならないのはいうまでもない。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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