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電子お薬手帳が拓く未来の医療の形
「電子お薬手帳」というサービスをご存知だろうか?ソニー<6758>は2013年から神奈川県川崎市においてサービスを川崎市薬剤師会と協働で試験サービスを開始している。カードをかざすとタブ レット端末に情報が表示される。その情報を薬剤師が見ることができる。そして、自分のスマートフォンで見たいときに、いつでも情報を見ることができるというものだ。大阪薬剤師会、日本保険薬局協会、アイングループなどもお薬手帳の電子版を独自に開発している。
「電子お薬手帳」はFeliCaとクラウドを活用している。クラウドにおいて、個人情報と薬の調剤情報、履歴などの一括管理するのだが、個人情報と薬のデータを分離する技術によってセキュリティ面の課題を克服している。また、カードをなくしても、クラウドに情報が残っているため再発行も可能である。
紙ベースのお薬手帳では1つの薬をどのタイミングでどれだけ飲んだか、一元的に素早く把握することは難しい。把握しようとしても紙をペラペラ捲る手間がかかる。利用者は薬の副作用があったとき、アレルギーがあったとき、なんとなく記憶しているものの、それを確実に覚えているとは限らない。そもそもどの薬が原因なのか、その可能性が高いのか、予想したとしても、お薬手帳やシールを忘れてしまってはなんの意味もない。
自分が何を飲んだのかを把握するにしても時系列的には情報を追えるものの、それ以外の利用方法はなく、十分利用できているとは言い難い状況にあった。また、薬の情報が「見える化」されていないため、薬が本当に効果的なのかを自分で確かめようがなかった。電子お薬手帳はこうした社会的課題に挑戦する試みだといえよう。さらに、個人情報を除いた形で蓄積したデータを活用し薬の研究開発や提供方法の向上に役立つなどの可能性が大いにある。利便性からも紙ベースのお薬手帳を大幅に上回るスピードで普及するだろうと思われる。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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