ムサシ Research Memo(6):金融汎用システム機材事業は緩やかな上昇トレンドを予想

2014年7月9日 17:23

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記事提供元:フィスコ


*17:23JST ムサシ Research Memo(6):金融汎用システム機材事業は緩やかな上昇トレンドを予想

■各事業の詳細

(3)金融汎用システム機材

金融汎用システム機材は、ムサシ<7521>が価格決定権を有する商品を扱いたいとの思いから紙幣計数機に進出したのを機に創設された事業だ。現在では紙幣計数機にとどまらず、手形発行・管理システムや印鑑照合システムなど、金融機関で利用される関連機器や、さらに派生して鍵管理機やデジタル監視システムなどのセキュリティ分野にまで拡大してきている。

主力の紙幣計数機は、この市場では約25%のシェアを有しており、約50%のシェアを有するグローリー<6457>に次いで第2位のポジションにある(銀行等金融機関における紙幣用計数機市場でのシェア)。

現在の主力の機械は紙幣整理機と呼ばれるもの。これは、紙幣を単なる計数にとどまらず、種類分けし帯封までするというタイプだ。サイズ的には「小型」に分類され、需要のボリュームゾーンに属するタイプとなっている。主たる販売先は金融機関であるが、金融機関以外の業種向け売上高が年々高まってきている。

2014年3月期の金融汎用システム機材の売上高は2,630百万円(前期比10.6%増)とほぼ予想通りで着地した。金融機関の設備投資が回復した恩恵で、セキュリティ機器や紙幣整理機が順調に推移した要因が大きい。2015年3月期の売上高について同社は2,850百万円(同8.4%増)を予想している。引き続き金融機関の設備投資需要が好調に持続すると想定していることが主たる要因だが、前期に振るわなかった流通向け清算システムの回復なども増収要因として期待されている。

金融汎用システム機材の中期成長力の考察
金融汎用システムの需要は比較的安定した状況が続いてきたが、リーマン・ショックによる金融危機で金融機関の設備投資が抑制され、同社の紙幣整理機を始めとする金融機関向け機器はその影響を受けた。そのため同社では、金融機関からの需要に対する依存度を下げるべく、金融機関以外への拡販努力を行ってきた。その結果、金融機関向け売上高構成比は現時点では70%程度に低下してきている。

金融機関以外の販売先とは、具体的にはデパート、スーパー、コンビニ等の流通業、運送・宅配業、交通機関、公営競技場、アミューズメント施設などだ。いずれも多額の現金を扱う業態だ。これらの機関では、紙幣整理機よりもセキュリティ機器への需要が強い。オペレーショナル・リスク低減やコンプライアンス強化という観点からのニーズが高まっているためだ。同社はこうした需要に対して、鍵管理機、デジタル監視システム、流通向けの清算システムなど、紙幣整理機で培ったセキュリティのノウハウを活用したセキュリティ機器のラインアップを拡充しながら業績を伸ばしてきた。この傾向は今後も継続すると期待される。

総体的に考えると、金融汎用システム機材事業は、金融機関向けの需要をベースとして、そこに非金融機関向け売上高が乗っかる形で、年率0~5%程度の緩やかな上昇トレンドをたどると弊社では予想している。中長期的なストーリーとしては、日本のカジノ解禁に際して特需メリットを享受する可能性も考えられる。ただし、これについては現時点で何かを織り込むのは時期尚早だろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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