【相場熟者が答える投資相談】日東電工は買い増すべきか売ったほうが良いかアドバイスを

2014年6月29日 13:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 【問い】 日東電工<6988>(東1)を5000円で100株持っています。少し上がっていたようですが、買い増すべきか、売ったほうが良いかアドバイスをよろしくお願いします。

 【答え】 日東電工は、6月27日(金)12円安(-0.25%)の4727円と5営業日ぶりに反落しています。寄付後28円高の4767円と続伸しましたが、地合いの悪化に押され小幅ながら下げに転じました。

 26日付の日本経済新聞朝刊が「トヨタ自動車が25日、水素で走り、水しか出さない『究極のエコカー』、燃料電池車(FCV)を2014年度中に世界に先駆け日本で市販すると発表した。20年代を普及期と見据え、政府も「水素ステーション」などのインフラ整備を後押しする。電気よりも貯蔵が容易な水素は代替エネルギーとしても注目を集めており、FCVがけん引役となる新たな市場が広がりそうだ」と報じたことを材料視した買いが入ったものです。

 同社と日本原子力研究所が、フッ素系高分子フィルムで高性能の高濃度メタノール燃料電池電解質膜を共同開発したことが改めて見直されました。メタノール燃料電池は小型・軽量で長時間の使用が可能な上、燃料を注ぎ足せば継続して使用できることから、充電の必要がなく、電池切れの心配がないといった点で注目されていますが、同社の電解質膜は、触媒の作用により負極側で燃料から発生した水素イオンを正極側まで移動させるための電解質の役割とメタノールと空気が直接混じり合わないようにする隔膜の役割を担っているようです。

 足元の業績は、主力のインダストリアルテープにおいて需要拡大、オプトロニクスが堅調が見込まれるほか、メディカル&メンブレンの事業拡大が見込まれ、今2015年3月期売上高7800億円(今期より国際会計基準の任意適用を決めたため、単純比較は出来ませんが、前期比4.0%増)、営業利益780億円(同8.0%増)、経常利益780億円(同8.9%増)、純利益570億円(同11.7%増)と最高純益を更新する見通しです。年間配当は100円を予定しています。

 株価は、4月4日につけた年初来の高値5100円から4月30日安値4387円、6月13日安値4395円と売り直されて下値確認から上昇してきました。燃料電池車は走行時に発生するのは水蒸気のみで、 大気汚染の原因となる二酸化炭素や窒素酸化物など有害大気汚染物質の排出もないと指摘されていますので、長いテーマになる可能性があります。今期予想PER14倍台と割高感はありませんし、配当利回り2.1%とソコソコありますので、底堅い動きになると予想されます。高値奪回となれば、6500円前後の上値フシまで上値を伸ばす余地も生じますので、押し目場面で買い増しも良いでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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