パナソニック、3種類の樹脂を同時選別するリサイクル技術を開発

2014年6月21日 22:07

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パナソニックは、家電製品のリサイクル工場で発生するシュレッダーダスト(破砕くず)から、3種類の樹脂を高速でしかも同時に選別・回収するリサイクル技術を開発した。

パナソニックは、家電製品のリサイクル工場で発生するシュレッダーダスト(破砕くず)から、3種類の樹脂を高速でしかも同時に選別・回収するリサイクル技術を開発した。[写真拡大]

 パナソニックは20日、家電製品のリサイクル工場で発生するシュレッダーダスト(破砕くず)から、3種類の樹脂を高速でしかも同時に選別・回収するリサイクル技術を開発したと発表した。

 家電製品に主として使われる樹脂はPP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)重合樹脂の3種類であり、従来は、製品解体処理後のシュレッダーダストは、廃棄あるいは燃焼処分されていた。

 同社は2010年に、環境負荷の低減と再生資源利用の拡大を目指してシュレッダーダストから、近赤外線識別技術を用いて、樹脂を高精度で選別し、リサイクルを可能とする技術を開発した。しかし、樹脂の選別に際しては、樹脂ごとに装置を切り替える必要があり、処理速度に課題を残していた。

 今回開発したリサイクル技術は、シュレッダーダストの破砕くずから、3種類の樹脂を、それぞれ純度99%を維持したままで、同時に選別・回収できる技術である。特徴としては、シュレッダーダストのエアを吐き出す飛翔軌道の気流を最適制御することにより、樹脂の形状によらず同一の飛翔軌道を維持できる点が指摘されている。

 同社では、今回の技術を導入した装置を、パナソニックエコテクノロジーセンターで稼働させる他、同社グループ内のリサイクルプラントでも展開することにしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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