ルネサス、液晶向け半導体子会社を米シナプティクス社に売却

2014年6月11日 15:58

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 ルネサス エレクトロニクスは11日、同社連結子会社のルネサスエスピードライバ(RSP)の株式を、米国シナプティクスホールディング社(シナプティクス社の子会社)に譲渡すると発表した。これに伴い、RSPの子会社であるルネサスSPドライバーズ タイワン(RSP-TW)は、同社の子会社から離脱する。

 ルネサス エレクトロニクスは平成25年8月に公表した中長期の構造改革方針に基づき、事業の選択と集中を進めている。この中で、同社が強みを持ち、競争力を発揮できる自動車(車載制御、車載情報)、産業・ネットワーク、汎用ICの3分野に経営資源を集中するとともに、災害や不況などのリスク時にも利益を確保できる経営体質を目指している。

 今回、株式を譲渡することになったRSPは、平成20年にシャープなどと共同出資で設立、中小型液晶向けドライバ・コントローラ(画像表示用半導体)を手がけている。最近の旺盛なスマートフォン・タブレットPC向けに順調な業績を維持しているものの、選択と集中の対象事業に該当しないことから、株式の譲渡を検討していた。

 ルネサス エレクトロニクスはRSP株式の55%を保有しているが、これをすべてシナプティックス ホールディング社に譲渡する。シナプティックス ホールディング社は、米国シナプティックス社の子会社で、企業買収や関係会社の統治・管理を行っている。親会社はカリフォルニア州サンノゼに本社を置き、モバイル機器・PC向けのタッチベース半導体ソリューションなどを手がけている。

 シナプティックス社は、モバイル端末向け事業を強化するため、シナプティックス ホールディング社を通じ、ルネサス エレクトロニクスに株式取得を申し入れていた。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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