経済学者クルーグマン氏、中国に「炭素関税」を提案

2014年6月9日 12:29

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記事提供元:スラド

eggy 曰く、 米環境保護局(EPA)が、米国の排出する温室効果ガスの3割以上を占める火力発電所の二酸化炭素排出量を削減することを目指す、Clean Power Planのガイドラインを先週発表した。だが、経済学者のポール・クルーグマン氏がNew York Timesのオピニオン・ページで、「conspiracy(陰謀)」、「cost(コスト)」、と「China(中国)」の3つのCを挙げて、EPAの新ガイドラインは温暖化を食い止めるには弱いと指摘している。このなかでも、特に「中国」に重点をおいて米政府のとるべき政策を提案している(New York TimesSlashdot)。

 米国は世界の二酸化炭素排出量の17%を排出しているが、中国のそれは27%にもなる。クルーグマン氏によれば、米国が欧州や日本と足並みを揃えて二酸化炭素排出の削減に努力しても、肝心の中国が石炭を燃やし続けていては地球温暖化の問題は解決されないとのこと。そこで氏は、その中国の勝手気ままな振る舞いを止める策として「炭素関税」を提案している。

 中国は先進国のマーケットへの依存度が極めて高い。つまり中国の高い排出量は直接的及び間接的に輸出ビジネスに起因していることになる。そこでもし、先進国が真剣に温室効果ガス排出量を削減するためのアクションを起こすならば、同様のアクションを起こさない国に対して「炭素関税」を科すべきであるとしている。炭素関税は、中国に温室効果ガス排出量削減の努力を始めさせるのに強いインセンティブになるだろうとのこと。

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