当面1万5000円台固める展開、押せば、骨っぽい買いが期待できる=犬丸正寛の相場展望

2014年6月6日 16:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  日経平均の2ヶ月ぶり1万5000円台乗せで目先達成感がある一方、大台乗せで相場は中期での上昇基調に転じたとの見方も台頭している。足元では、上昇スピードが速かっただけに、しばらくは売り買い交錯の中で1万5000円台を固める展開が予想される。

  5月21日の日経平均1万3964円(場中値)から6月6日の1万5144円まで8.4%上昇した相場だが、この間、とくに、これが決め手という材料があったわけではない。強いて言うなら、5月16日に日経平均予想PERが13.4倍と、最近にない水準まで低下するなどマーケットに弱気の多かったことに対する反動といえるのではなかろうか。

  もちろん、NYダウの最高値更新は日経平均にとってプラスとなっていることは間違いない。

  それ以上に、消費増税の影響をなんとか吸収して2015年3月期の企業々績は堅調が見込めそうだとの雰囲気となっている。また、今度こそ期待できそうな新成長戦略も控えている。さらに、総理は年金運用において株式の比率アップ(現在12%ていど)を前倒しで進めるよう指示したと伝えられる。NISAについても非課税枠拡大も報道されている。つまり、「なんとなく相場に対し期待できる雰囲気が漂っている」(中堅証券)。マーケットの地合いは明るくなっているということだ。

  このため、押せば、骨っぽい買いが入ってくるとの見方は多い。仮に、新成長戦略が想定内だったとして下げる場面があっても短期的なもので済む可能性があるだろう。

  今後、短期筋の利益確定売りが一巡した後、相場が強いということになれば、短期筋も再び買い姿勢を高めることになるだろう。

  年金による株式運用拡大、NISA拡大といった報道をみていると、大きい時代の変化として捉えると、「銀行の時代から証券の時代到来」を強く感じさせられる。

  1万5000円台を固めれば、次は昨年末につけた日経平均の高値1万6320円(場中値)を目指す展開だろう。

  物色される銘柄としては、「15年3月期の上振れ期待」+「成長戦略等のテーマ」=好パフォーマンスということになるだろう。

  オリンピック施設の建設が始まるし、今秋にはリニア中央新幹線の着工も報道されている。マーケットに明るい材料の多いことはあなどれない。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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