筑波大など、軽い運動でも脳の認知機能が高まることを発見

2014年5月28日 22:53

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軽強度の運動によって活動が高まった脳の部位を示す図(筑波大学と中央大学の発表資料より)

軽強度の運動によって活動が高まった脳の部位を示す図(筑波大学と中央大学の発表資料より)[写真拡大]

 筑波大学の征矢英昭教授と中央大学の檀一平太教授らによる研究グループは、ヨガや太極拳といった軽い運動でも脳の働きが良くなることを明らかにした。

 運動と脳の働きの関係性については、これまでに多くの研究がおこなわれており、息がやや弾む中強度の運動が推奨されてきたが、高齢者にとっては実践が難しいといった課題があった。

 今回の研究では、これまであまり解明されてこなかった、ヒトの軽強度の運動が認知機能に与える影響を、脳機能イメージング法と認知機能テスト「ストループテスト」を用いて調べた。

 25名の被験者に対して、最大酸素摂取量の30%の運動を10分間実施してもらったところ、ストループテストを処理する時間が有意に短縮した。また、脳の活動について詳しく調べたところ、運動後は左の前頭前野背外側部と左の前頭極の活動が有意に高まっていることが分かった。

 この研究成果は、体力のない高齢者や疾患社を対象にした認知症予防運動の開発に応用できると期待されている。

 なお、この内容は、米国の科学専門雑誌「NeuroImage」オンライン版に掲載された。

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