EXOクリス訴訟、SM「奴隷契約ではない」 クリス「付属品の扱い」

2014年5月20日 23:44

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 5月15日、EXOのクリスは訴訟代理人の法務法人ハンギョルを通じ、所属事務所SMエンターテインメント(以下“SM”)を相手取り、専属契約無効訴訟を提起した。

 訴訟代理人は、「SMが芸能人としてのビジョンを提示せず、原告を附属品のように扱い、すべての公演やイベント、出演について原告の意思や健康状態をまったく尊重せず、一方的に決めた」と伝えた。

 また、「一方的に作成した計算書だけを提示し、具体的な説明や精算資料を提供していない。よって、高度な業務や活動に対して常に経済的に困難な状況におかれていた」と明らかにした。

 さらに、「この専属契約は、芸能人を志望していた原告に対し、SMが地位を乱用して不当に支配力を行使したものである」とし、「原告に不当な負担を負わせ、職業選択の自由と経済活動の自由など基本的な人権を過度に制約しているため無効である」と主張した。

 実際に最近、中国のシナドットコムを通じて公開された診断書には、クリスに「心筋炎の疑いがある」という診断が書かれ、同時にクリスの本名(吴亦凡:ウー・イー・ファン)が記載されていた。

 さらに16日にクリスの訴訟代理人は、「原告が映画とドラマのオファーを受けたにもかかわらず、SM側でこれを何度も断った。演技を志していた原告の意見を黙殺した」と追加で主張を公開した。

 15日に明らかになったクリスの訴訟についてSM側は、「事実を確認中であり、非常に困惑している。EXOの活動に支障が生じないよう最善の努力をする」とコメントした。

 クリスが所属しているEXOとEXO-Mのメンバーは、訴訟の提起に不快感を表している。

 EXOのリーダー、スホは15日のMnet『M COUNTDOWN』で1位を受賞したコメントとして「僕たちのスローガンは“We are One”ですが、自分だけでなく、みんなのことを考えるEXO、EXOのファンの皆さんを思うEXOになります」と意味深な発言をした。この日はクリスの訴訟について初めて伝えられた日でもある。

 そのほかにも、一部のEXOのメンバーは“裏切り”をほのめかしたような文を残したり、インスタグラムでUnfollow(友人関係を切ること)をしたりして心境を表した。

 中国の一部マスコミは、EXO-M(クリス、ルハン、シウミン、チェン、タオ、レイ)が今回の訴訟を知った後に受けたインタビューの内容を公開した。スホが “何も問題のない”事務所とメンバーの関係を改めて明かし、「信義に背いた悪い行動」と語り、コンサートを控えているメンバーの率直な心境を伝えた。

 ファンはどのような気持ちだろうか? 一部のファンは、署名活動という小さな動きを見せる一方で、“待ってみよう”というファンもいる。また、11人のメンバーを心配し、クリスが復活することも願っている。ファンは、EXOが11人ではなく、メンバー12人として完全な状態でひとつのステージに立てる日を待っている。

 このようなファンの気持ちを聞いているのだろうか? 訴訟提起後の16日、クリスは自身のウェイボー(中国版ツイッター)に、「皆さんも元気でいますように。僕を支えてくれる方々に感謝します。僕のために声援を送ってくれてありがとう」「ウー・イー・ファン(本名)は、いつもそばにいるよ」という文をアップした。

 同時に書かれていた故事成語「螳螂拒轍」も注目されている。「螳螂拒轍」とは、「カマキリが水車を止めようとする」ということから「自分の身の程を知らず、強者にむやみにはむかう」という意味だ。このことについて、様々な解釈が飛び交っている。

 SMでは、このような“クリス事件”は今回が初めてではない。2001年に“奴隷契約”として論争を巻き起こしたアイドル第一世代のHOTを皮切りに、2009年には東方神起、SUPER JUNIORまで、このような事例が続いている。

 一方、専門家たちはクリスの訴訟が今後のエンターテイメント業界にどのような方向性をもたらすのか、注意深く予測している。SUPER JUNIOR元メンバーのハンギョンの成功例のように、中国人メンバーが韓国で人気を得て自国に戻って独自の活動を行うのではないかという疑念が持たれている。

 特にSUPER JUNIORのケースは、今回の“クリス事件”と非常によく似ているうえに、主役が同じ中国人だった。2009年、SUPER JUNIORの中国人メンバーだったハンギョンは、突然SMを相手取り「専属契約無効確認訴訟」を起こし、2010年12月に原告勝訴の判決を得た。その後SMが控訴していたが、2011年9月にハンギョンが訴訟を取り下げ、法廷攻防が終了となった。ハンギョンは現在、中国で活発に活動している。

 なお、EXOは23日から25日までの3日間、ソウルのオリンピック公園体操競技場でデビュー2周年記念コンサートを予定している。クリスは現在連絡が取れず、コンサートに出演するかどうかは明らかになっていない。(翻訳:萩庭雅美)

※この記事は재경일보提供の記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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