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三菱重工受注のLNG船、需要に応じ次世代型へ
三菱重工業<7011>は、LNG(液化天然ガス)運搬船をMI LNGカンパニーを通しての初の受注があったと先日発表した。
MI LNGカンパニーは、三菱重工業と今治造船株式会社が13年4月に合弁で設立し、LNG運搬船を専門に、設計と販売を行なう。今回、日本郵船<9101>向けに低燃費で環境に低負荷な、LNG運搬船「さやえんどう」船型を初受注し、17年に完成と引渡しになっている。
三菱重工業はLNG運搬船を3種類、製品として持つが、さやえんどう船型は球形のタンク4基を船体と一体型のカバーで覆い、サヤエンドウのような形状になっている。タンクをカバーすることで船の強度が増したうえに軽量化に成功し、空気抵抗も軽減できる。主機関(エンジン)は蒸気を再加熱利用するためエネルギー効率も高く、従来船より燃費は20%以上改善されるとのことである。燃費が良くなることでCO2の排出の削減に繋がるため、環境にも負荷が低い。タンクの総容量は、さやえんどう型が15万5,300立法メートルで、従来船の15万7,000、14万5,000立法メートルと、船の大きさ共に、さほど違いは感じられない。
世界中で新エネルギーへの意識の変化もあるが、日本では原子力の代わりに火力発電の需要が増加し燃料がLNGに移行しているため、輸入量は10年に前年比6.3%の増加、11年には17.9%と一気に増え、12年4.4%増13年0.2%増加と徐々に増え続け、現在は若干横ばいの様相であるが、今後も輸入量の増加はあっても減少はないのではないだろうか。
現在アメリカ、オーストラリア、カナダなど、世界各地でLNGプロジェクトが進められており、日本からも多くの企業が参画している。また、15年にはIMO(国際海事機関)が海域によって開始時期に違いはあるが、船舶からの排出ガスの規制を厳しくする。
日本に関しては硫黄酸化物(SOX)の排出削減の強化は見送られたが、輸出入は国際的な事業のため、その規制をクリアできる船舶の対応も必要となってくる。今後もLNG専用線の開発は進み、需要の大きな市場となるのではないだろうか。(編集担当:高井ゆう子)
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