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高校選択科目「日本史」が必修科目へ格上げする訳
文部科学省は、高校で選択科目となっている「日本史」を必修化にするかどうかの検討を始めた模様だ。早ければ2019年度から必修科目とする方針だ。高校の社会科は学習指導要領改訂によって「地理歴史」と「公民」に分割され、世界史が必修、日本史と地理は選択制となっている。県によっては独自に日本史を必修にしているところもある。
国際化の中でこそ自国の歴史への理解が欠かせない、いや中学レベルで十分だ、日本史など知らなくても海外では困らない、授業を面白くすべきなど様々な意見がある。国際交流の中でよく言われるのが日本人は日本のことを知らない、説明できないという意見だ。経験則に基づいたこの意見は、とても多くの共感を生む。特に留学経験のある人にとって。
また他方、日本史を学んでも、結果として知識の記憶に終始してしまうことが多く、どうしても政治の出来事が中心になってしまう。そもそも授業時間が限られているのに、日本史は有史以来悠久の歴史を持つほど膨大である。どこかで折り合いをつけないといけない。本当に吉良上野介、明智光秀、田沼意次は悪人か、など議論したりするには、政治的価値闘争の影響を受けやすいし、そもそも先生が対話型授業になれていないというのもある。特に、多くの高校が大学受験での合格者数を競う現実を見ると、とうてい期待できない。
また、日本史を勉強したからと言って日本の伝統・文化、過去を理解できるとは限らない。日本の伝統や文化はとても分厚すぎるため、どうしても概観を教えるだけになってしまう。美術なら美術史、文化なら文化史、政治なら政治史、経済なら経済史といった個人の関心に基づいて深く狭い領域を学び、そこから周辺領域や全体を広げて学んでいくほうが個人的にはいいと思うが、どうなのだろう。
必修化にすることも大事だが、一方、同時に教科書が興味・関心をそそるものにし、授業内容も知識や価値観を与えるだけのものにならないようにすることも担保してもらいたい。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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