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東北大、震災前の健康状態や生活習慣が震災後のPTSDに影響することを発見
震災前の身体機能や改善可能な生活習慣が、震災後のPTSDの程度に影響することが分かった。[写真拡大]
東北大学大学の門間陽樹助教らは、仙台市内の勤労者を対象に東日本大震災が起きる前から健康調査を実施し、震災発生前の身体状態・生活習慣が、震災発生後の精神的ストレスに影響を与えることを明らかにした。
大規模な自然災害が発生した際、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症が問題視されてきた。既に様々な研究チームによって、震災発生後の調査はおこなわれてきたが、本研究チームは震災発生前から実施していた健康調査と震災後の精神的ストレスの関連性を明らかにした。
分析の結果、男性では、震災発生前の2010年時に脚伸展パワー(下肢筋郡の瞬発的筋機能。歩行などあらゆる身体活動と深く関連する)が高い人は、PTSD症状の程度を示す「IES-R得点」が低く、毎日お酒を飲んでいた人と抑うつ傾向であった人は「IES-R得点」が高かった。
女性では、男性と同様に、2010年時に抑うつ傾向があった人は「IES-R得点」が高い関連が認められた一方、高血圧であった場合も「IES-R得点」が高かった。
こうした健康状態は災害の発生前に評価や改善ができるため、災害発生前に PTSDハイリスク者を事前に把握できるほか、日常生活の改善・維持によって災害に伴う精神的ストレスに対する耐性を得られる可能性が示された。災害が起きる前の身体機能向上が災害時のメンタルヘルス悪化の予防策になる可能性があることが示されたのは世界初という。
研究グループは、今回の研究の知見が災害時のメンタルヘルス対策の一助となることを期待するとしている。
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