東電、14年3月期連結決算発表 4期ぶりの黒字

2014年5月1日 16:04

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記事提供元:エコノミックニュース

 30日、東京電力<9501>が発表した2014年3月期の連結決算によれば、経常損益が1014億円の黒字であったことが分かった。前期は3269億円の赤字であった。また最終損益に関しても4386億円の黒字であり、こちらも前期は6852億円の赤字であった。こうして通期の最終黒字は、東日本大震災が発生する以前の10年3月期以来、4期ぶりのことである。金融機関の融資条件になっている3年連続の経常赤字を回避するという目標は、これでクリアすることが出来た。

 売上高は前期比11.0%アップの6兆6314億円で、営業損益は前期が2219億円の赤字であったのに対し、1913億円の黒字だった。12年9月に実施された家庭用電気料金値上げや合理化の効果が寄与したものとみられる。販売電力量は、去年3月から4月にかけて気温が前年を上回って推移し、暖房需要が減少したことにより、前年度比0.9%ダウンの2667億キロワット時となったものの、電気料金の引き上げにより増収。また修繕費の抑制も寄与した模様。その一方、円安による輸入価格の上昇もあって、燃料費は2兆9152億円と過去最高額だった。配当は、3期連続での無配となっている。

 しかしこうして最終利益を4期ぶりとなる黒字に変換することが出来たとはいえ、まだまだその収支が苦しいという状況に変わりはなく、そのことは東京電力自身がよく認識している。そのため、これからもコスト低減策については、1月に政府から認定を受けた新総合特別事業計画に沿って、一つ一つ積み重ねていくとしている。

 東京電力は1月15日に、国や取引金融機関から総合特別事業計画(再建計画)の認定を受けたが、そちらの計画内には柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働や脱国有化などが盛り込まれている。

 そして東京電力は15年3月期の連結業績予想に関して、運転停止中の柏崎刈羽原発の再稼働の見通しが立たないため、予想することが困難であるとの理由から「未定」とした。また今期の年間配当は、これで4期連続となる無配と予想した。(編集担当:滝川幸平)

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