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名大など、人体の細胞の隙間を制御する分子構造を解明 創薬技術への活用に期待
体表面や器官表面を覆う細胞のイメージ(赤線部分)(左)と、研究グループが解明した分子の重合構造及びイオンの透過部位イメージ(右)。[写真拡大]
名古屋大学、東京大学、大阪大学の共同研究グループは18日、身体や臓器を覆っている細胞が、どのように体内もしくは臓器内に入る物質を制御しているのかを明らかにしたと発表した。
私たちの身体や臓器の周りには上皮細胞という細胞が覆っていて、そこで細胞同士が密着したり少し離れたりすることで、外側から浸入する栄養素やその他の物質の量を調整できるようになっている。この密着したり少し離れたりする仕組みを作っているのは、「クローディン」というタンパク質であるが、これまでクローディンの大きさ、形、動きなどは明らかになっていなかった。
今回の研究では、SPring-8でX線マイクロビームをクローディンに照射し、大きさが3ナノメートルであることや、細胞膜を4回貫通して2つのループを作っていることが明らかになった。また、そのループ状に細胞膜の外に飛びてている部分は手のひらのように開いており、これが隣の細胞膜から出ている別のクローディンと距離を調整し、栄養などを通したり通さなかったりという制御をしている可能性があることを発見した。
この研究成果は、低マグネシウム血症の治療や脳への薬剤の浸透制御など、様々な創薬技術に活用されると考えられている。
なお、この研究成果は、2014年4月18日発行のScienceに掲載された。
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