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虫垂は無用の長物ではなかったことが判明
Hamo73 曰く、 不必要な組織だと考えられていた虫垂に、腸内細菌叢のバランスを保つ働きがあることがわかった。大阪大学の竹田潔教授らのグループがマウスによる実験で明らかにした(Nature Communications掲載の論文要旨、プレスリリース、東京新聞)。
虫垂にリンパ組織があることはわかっていたが、それほど重要とは考えられておらず、虫垂炎を起こしやすいこともあって他の開腹手術の際に予防的に切除されることがあった。
グループは虫垂リンパ組織の働きを調べるため、無菌マウスの虫垂を手術で切除してから腸内細菌を定着させる実験を行った。すると、切除していない群と比べて大腸内の免疫グロブリンA(IgA)産生細胞が約半分であり、腸内細菌叢も大腸型のパターンではないことがわかった。また、同様のリンパ組織である小腸内のバイエル板からのIgA産生細胞は多くが小腸内にとどまるのに対し、虫垂リンパ組織からのIgA産生細胞は大腸と小腸の両方に移動することが確認された。これらの結果より、虫垂リンパ組織は大腸内の腸内細菌叢のバランス維持に必要な組織であることが分かったという。
竹田教授は「腸内細菌のバランスが悪くなると食中毒も起こしやすい。虫垂をむやみに取らない方が良い」と話す。また、腸内細菌叢の変化が影響するとされる炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)や腸管感染症の治療につながることも期待される。
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