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イー・ギャランティ Research Memo(7):2014年3Q決算は売上高、利益ともに過去最高を更新
*16:48JST イー・ギャランティ Research Memo(7):2014年3Q決算は売上高、利益ともに過去最高を更新
(1)2014年3月期第3四半期累計業績
イー・ギャランティ<8771>が1月30日に発表した2013年3月期第3四半期累計(2013年4-12月期)業績は、売上高が前年同期比3.4%増の2,795百万円、営業利益が同20.5%増の979百万円、経常利益が同20.5%増の994百万円、四半期純利益が同23.0%増の557百万円だった。売上高、利益ともに過去最高を更新し、成長トレンドが持続している。また、12月末の信用保証残高は前年同期比7.5%増の1,949億円と順調に拡大した。
会社計画に対する第3四半期までの進捗率は、売上高が69.9%、営業利益が76.5%となっており、売上高の進捗率がやや下回っている。これは、国内景気の回復を背景に企業の倒産件数が想定以上に減少し、保証料率が低下していることが主因だ。期初の段階では、中小企業金融円滑化法の期限が到来する2013年3月以降に、中小企業の倒産件数がやや増加するとみていたが、実際にはその影響はほとんどなく、倒産件数も減少傾向が続く格好となった。
一方で、売上原価率も28.6%と前年同期の35.0%から大きく低下している。倒産件数の減少を背景に再保証コストが同様に低下したほか、ファンドの有効活用やリスク流動化の最適化を進めたこともコスト低減に寄与した。人件費の増加により、販管費率は前年同期の34.9%から36.4%へと若干上昇したものの、原価率の低減効果が大きく寄与し、売上高営業利益率は35.0%と前年同期の30.1%から上昇した。
(2)財務状況と経営指標
2013年12月末の財務状況は、総資産が前期末比83百万円減の7,945百万円となった。主な増減項目としては、現預金が1,034百万円減少している。これは主に、運用を目的とした投資有価証券の取得と、一部リスク移転先との長期契約の実施により、前払費用が増加したことが主因。長期契約の実施に関しては、保証期間を複数年としたサービスを開始したことや、再保証コストの将来の上昇に備えリスク低減を進めたことが背景として挙げられる。また、少数株主持分が317百万円減少しているが、これは再保証コストの低下に伴い、資金の効率運用を図るために子会社のファンド出資金を投資家に一部返還したことが要因。同社では、再保証コストが再度上昇傾向に転じれば、ファンド出資金を増額し、倒産件数の増加に備える方針としている。
経営指標では流動比率が200%以上に達し、ネットキャッシュも潤沢で有利子負債もわずかな水準となっていることから、財務体質は良好な状況にあると言える。また、収益性に関しても営業利益率が年々上昇しているほか、ROEも10%以上の水準をキープするなど、高収益体質を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》
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