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イー・ギャランティ Research Memo(3):売上高を左右する信用保証残高は順調に拡大中
*16:46JST イー・ギャランティ Research Memo(3):売上高を左右する信用保証残高は順調に拡大中
■事業概要
(2)事業概要
イー・ギャランティ<8771>は、企業間取引の際に発生する売上債権等の信用リスクを保証するサービスを主に手掛けている。以下に事業の流れを説明する。
まず、同社は事業会社や金融機関などの企業間取引で発生した売上債権等に関する未回収リスクを「保証」という形で事業会社または金融機関などから受託契約している。債務不履行が発生した場合には、契約時に定められた保証額を契約企業に支払う格好となる。契約企業にとっては売上債権等の未回収リスクを一定の保証料を支払うことにより、最小限に抑えることができるといったリスクヘッジ機能を果たすこととなる。契約は大半が1年間ごととなっており、原則として全額前払いだが、同社では契約期間月数分に均等割りして売上計上するため、季節変動による売上高の偏りは出ない格好となっている。
売上高は「保証残高×保証料率」で決まるため、ストック型のビジネスモデルであることが特徴となる。保証料率はその時々の経済情勢や企業の倒産発生件数などに影響を受けるため、売上高の拡大に当たっては信用保証残高をいかに積み上げていくかがポイントとなる。2013年末時点での信用保証残高は1,949億円となっており、順調に拡大を続けている。
また、保証料率は保証対象となる企業のリスク審査を行った上で決めており、個々の契約ごとに異なる。業界内での決まりがないことから自由に設定ができるものの、それぞれの企業のリスクに見合った保証料率でなければ契約に結び付かないため、ユーザーニーズと合致した範囲内で決められることになる。
引き受けた信用リスクはリスク度合いに応じて細分化し、金融機関やファンド等のニーズに適応した金融リスク商品としてポートフォリオを再組成し、移転(流動化)する。低リスク商品は安定性を選好する保険会社などが、高リスク商品はパフォーマンス選好型のノンバンクやファンドなどが主な移転先となってくる。信用リスクの移転に伴って発生する支払保証料や支払手数料などが売上原価の大半を占めることになる。
このため、同社が顧客と契約する保証料率と同社が移転先に支払う支払保証料率のギャップが原価率の変動要因となる。同社では2008年より子会社であるファンドにおいてもこうしたリスク商品の受託を行っているほか、移転手法の多様化、高度化を進めることによって原価率の低減を進めている。グラフに見られるように、ここ数年は原価率の低減によって収益性が向上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》
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