国際司法裁判所、南極海での調査捕鯨を条約違反と認定

2014年4月1日 15:23

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 日本の調査捕鯨を巡って2010年にオーストラリア政府より南極海での調査捕鯨中止を求める訴えが起こされていたが、国際司法裁判所 (ICJ) は3月31日、「日本の捕鯨プログラムは科学的研究のためとは認められない」として国際捕鯨取締条約に違反しているとの判決を言い渡した(NHKの報道日経の記事ブルームバーグの記事フリージャーナリストによる解説)。

 裁判ではオーストラリア側が、捕獲される鯨の頭数が年間数百頭に及んでいることや、鯨肉が市場で売られていることなどを理由に「実態は商業捕鯨にほかならない」と主張したのに対し、日本側は「捕獲する頭数は調査のために必要なもので、鯨肉の販売は条約で認められている」などと反論し、「科学的な調査が目的で成果を挙げている」と主張していた。判決では判事16人中12人がオーストラリア側の主張を認め、「日本の調査捕鯨は国際捕鯨取締条約8条が定める調査捕鯨に当たらない」という日本側全面敗訴の内容となった。ICJは一審制のため控訴は行えず、日本政府は判決に従う方針。

 今回の判決では北大西洋での日本の調査捕鯨は対象とはしていないが、判決を機に風当たりが強まるなど、そちらにも影響が出る可能性が指摘されている。また、国内の鯨関係業界は衝撃を受けているという。

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