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システム ディ Research Memo(12):クラウドへの事業領域の拡大が収益成長可能性の鍵に
*18:21JST システム ディ Research Memo(12):クラウドへの事業領域の拡大が収益成長可能性の鍵に
■中期計画
●中期計画の目標数値
システム ディ<3804>では2016年10月期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、売上高3,000百万円(2013年10月期実績比38.2%増)、経常利益400百万円(同202.0%増)目指している。3年間の年平均伸び率は売上高が11.4%、営業利益が44.7%となる。
内訳としては、新規事業である公教育ソリューションと公会計ソリューションで売上高900百万円を創出する。両部門の2013年10月期の売上高合計は276百万円であることから、年率48%の売上高成長が見込まれていることになる。年間50%増収を3年間続けるということは決して簡単ではないが、こうした目標を宣言している点に同社の自信を感じることができる。
●クラウドへの事業領域の拡大
同社の中計の実現可能性、及び、その後に続くより長期的な収益成長可能性の評価は、同社が現在進めている「パッケージソフトの販売」に加えて「クラウドによるサービス提供」への事業領域の拡大についての評価に置き換えて考えることができよう。
まず、「パッケージソフト販売」のモデルを振り返ると、この時代の同社のスローガンは「Small & Power Business」というものであった。Smallの意図するところは、できるだけパッケージソフトをそのままユーザーに受け入れてもらえる形で販売する、ということである。洋服で例えれば、既製服で店頭に並べてある服(パッケージソフト)を、できるだけ、裾や袖、腰回りの調整などの“お直し”(カスタマイズ)なしに販売するというイメージである。ソフトウエアにカスタマイズを加えることで販売価格は容易に倍にも膨れ上がるが、それは必ずしも利益の増加につながらない。例えば、カスタマイズ込みで2億円の売上を計上するよりも、パッケージソフトをそのままの形で販売して5,000万円の売上を挙げる方が、利益の絶対額でも利益率でもより高くなるということが、Smallというスローガンとして現されたものと思われる。
●利益率向上の背景
クラウド型サービスへの拡大は、同社の収益の安定的かつ持続的な拡大に寄与していくものと期待される。同社のサポート・クラウド売上高金額はサポート・クラウド契約件数(累計)のトレンドにリンクして拡大基調が続いている。2013年10月期の同売上高は532百万円に達し、全社売上高の約25%を占めるに至った。
パッケージソフト型に加えてクラウド型が増加すると、売上高の変動は抑えられ、より収益の安定性が増大すると考えられる。パッケージソフト型は、1件当たりの売上高が大きいということに加え、売上高計上の時期が年度をまたいでズレ込むいわゆる期ズレの2つの意味で、収益に変動をもたらすリスクがあった。顧客数が増加すればクラウド化に伴う同社の初期負担も相対的に軽減され、利益率が向上してくる。顧客側も更新費用やメンテナンス費用などが抑えられ、契約更新に際しても顧客をつなぎ止める力が強い。この点でも、同社のマーケティング費用を抑える効果が期待できると考えられる。
また、公共向けにおける営業実績の積み上がりも利益率の向上において無視できない。公共向けは教育、会計ともに横並び意識が強いと想定され、入札の勝率が高ければ効率の高い営業が可能になる。現状、公会計ソリューションにおける数多い実績に加え、特に公教育ソリューションにおける勝率実績が高い点は、利益率向上の実現可能性を高めるものと想定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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