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“地図から消された島”が、“ウサギの楽園”として人気になるまで
瀬戸内海の芸予諸島の1つである大久野島(広島県)が、海外メディアで次々と取り上げられている。その理由は「ウサギ」だ。1羽や2羽ではなく、何百という数のウサギと触れ合うことができる癒しの島として絶賛されている。
発端は、現地を訪れた日本人女性が、凄まじい数のウサギに追われてはしゃいでいる様子を、YouTubeに投稿したことのようだ。この動画は、報道番組やネット上で紹介され、ウサギ島の存在が世界に広まっている。
愛らしいウサギの楽園として取り上げられる大久野島だが、化学兵器の製造を行っていた島としての過去も紹介されている。
【癒し系のウサギとは裏腹に暗い過去】
大久野島は、地理的な条件や密匿の容易さなどから、第一次世界大戦時に化学兵器の生産拠点として選ばれている。当時の政府によって地図から消され、毒ガスなどの実験、生産が行われていたようだ。今でも、島内には毒ガス資料館があり、その実態を伝えている。
情報サイト『One Green Planet』をはじめ多くのメディアでは、ウサギが動物実験の対象として持ち込まれ、その後、爆発的に繁殖したという説を紹介。ただし、実験に使われていたウサギは安楽死させられたので、現在のウサギとは無関係との説もあり、実際のところは不明だ。
国内で有力な説は、島外の小学校で飼育されていたウサギ8羽が、1971年に放されて野生化したというもの。やはり戦時中のウサギは終戦後に処分されているということらしい。
悲しい歴史を持つ大久野島で、ウサギたちは旅行者から美味しい餌を沢山もらって幸せに暮らすべきだ、と情報サイト『Bustle.com』は呼びかけ、島への観光を勧めている。
【エコツーリズムとして大人気】
すっかり癒しの楽園として様変わりした大久野島は1934年に瀬戸内海国立公園に指定され、エコツーリズムとしての人気を誇っている。環境省のビジターハウスもあり、自然観察や環境学習の場として最適だという。
また、周囲わずか4.3kmの島内には、近代的な設備のホテルやキャンプ場、ゴルフ場、海水浴に最適なビーチなどがある。
可愛いウサギたちと戯れながら、戦争の歴史にも触れ、さらには海や山の大自然を体験できる盛りだくさんな島であり。外国人だけでなく国内からの旅行者にとってもお勧めの場所と言えるだろう。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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