三菱重工、スウェーデンの原発で耐腐食性を高める部材取替工事を受注

2014年2月19日 18:11

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三菱重工業がスウェーデンのリングハルス電力(Ringhals)から受注した、加圧水型原子力発電プラントの加圧器の管台取替工事の取替対象箇所を示す図。

三菱重工業がスウェーデンのリングハルス電力(Ringhals)から受注した、加圧水型原子力発電プラントの加圧器の管台取替工事の取替対象箇所を示す図。[写真拡大]

 三菱重工業は19日、スウェーデンのリングハルス電力(Ringhals)から、加圧水型原子力発電プラント(PWR)の主要機器である加圧器の管台取替工事を受注したと発表した。継手部分の合金を耐腐食性の高いものに変更することで信頼性の向上を図るという。工事の完成は2016年度の予定。

 工事は、スウェーデン南部に位置するリングハルス原子力発電所3号機向けのもの。同発電所は、同国第2の都市ヨーテボリの南方約60kmにあり、設置されている原子炉4基のうち2~4号機がPWR。3号機は出力106万9,000kWで、1981年に稼働を開始した。

 管台取替工事では、三菱重工が技術検証、認証試験、装置製作、材料調達と現地工事を請け負う。同社の原子力事業分野では、欧州で初の現地アフターサービス工事としての取り組みになるという。

 同社によると、欧米や日本など先進国の初期に建設された原子力発電プラントでは、プラントの信頼性向上や長寿命化に向けた動きが出ており、経年劣化に伴う応力腐食割れなどのリスクを低減させるために、加圧器の一部交換などが実施されている。今回の取替工事も、こうした動きに沿うものという。

 同社は、今後も国内外における既存原子力発電プラントの主要機器や部位の取替工事商談を積極的に開拓し、電力の安全・安定供給に貢献していくとしている。

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