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ゴキブリが電池になる? 災害救助に応用の可能性も 日本の研究チームが開発
生きている昆虫の体液を利用し、化学反応によって電気を発生させ、昆虫を“動き回る電池”にする――。東京農工大学と大阪大学の合同研究チームが、それを実現するバイオ燃料電池を開発した。
【選ばれたのは巨大ゴキブリ】
先月、アメリカ・サンフランシスコにおいて、微小電気機械システム(MEMS)に関するIEEE・MEMS学会が開催された。同チームは、その席上で研究成果を発表した。技術系オンライン誌「マザーボード」が報じている。
この燃料電池は、昆虫の背に装着される。今回、同チームが実験対象として選んだのは、マダガスカルゴキブリだ。アメリカの科学雑誌「ポピュラーサイエンス」のオンライン記事が指摘するとおり、このゴキブリには巨大だという利点がある。大きいもので体長7.5cmに達すると言われる。
装置は、電極と、体液を入れるタンク、体液をゴキブリとのあいだで循環させるチューブからなる。ゴキブリを含め、昆虫の循環系を満たす血(けつ)リンパには、二糖のトレハロースが存在している。それを酵素により、単糖のグルコースに分解。そのグルコースを酸化させることで、電気を取り出すことができるという。マダガスカルゴキブリでは、50マイクロワットほどの出力が得られたそうだ。
【意外にも壮大な用途が】
この研究は何を目指しているのか。「ポピュラーサイエンス」は、ゴキブリを優秀なサイボーグに変えるためである、と伝える。
昆虫の動きを電気刺激によって操作することには、多くの先行研究が存在する。ゴキブリでは、すでに商業レベルで実現している。ゴキブリに装着し、スマホで操縦できるキット“The Roboroach”が、学習教材として、アメリカで100ドル足らずで販売されているのだ。
「マザーボード」は、センサーを装備したサイボーグ昆虫によって、地震の瓦礫の中や、放射能汚染区域など、危険すぎて人間が足を踏み入れられない場所を調査する、という今後の応用プランを紹介している。この場合、データは無線で送信することになろう。このセンサーや無線などに、電力が必要となるが、今回開発されたバイオ燃料電池が、その役に立つという。旧来のバッテリーは、昆虫には重たい上に、充電が必要となる。しかし、この燃料電池を使えば、はるかに長い時間、稼働できるようになるからだ。
「ポピュラーサイエンス」は、サイボーグ昆虫が軍事利用されるのではないか、という懸念を、冗談交じりに表明している。
また、Yahoo!カナダのGeekquinoxは、この技術は、相当手際のよいものだ、と認めつつ、それでも、この「ぞっとする」技術は日本国内だけにしておいてほしい、と述べている。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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