西暦773年に地球に未知の物体が飛来していた?

2014年2月4日 12:01

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 2012年11月、日本の科学者チームは世界のメディアが注目する発表を行った。杉の年輪の調査から放射性炭素14の濃度が西暦774~775年の間に急上昇したことを発見したのだ。その後の継続した調査で放射性炭素14の濃度が急上昇したのは西暦773年に特定された。放射性炭素14は地球の自然界にはほとんど存在しないことから、地球外から飛来したものであると推測されている(mediumnatureCorell大学slashdot)。

 西暦773年に放射性炭素14が増えた原因として最初に考えられたのが、太陽のスーパーフレアの発生だ。しかし、最近の研究では太陽のスーパーフレア発生は3000年に一度であることから、その可能性は低いと考えられるようになった。別の可能性として考えられたのが近傍にある星の超新星爆発。この超新星爆発は太陽系すべてに影響を与える規模だと予想された。しかし、天文学者が超新星爆発を起こした可能性のある候補を調査した結果、歴史的に見ても該当する超新星爆発は見つけられなかった。

 次に提示されたのが彗星の激突だ。2014年1月、研究者たちは、彗星が地球に対して影響を与えるほど放射性炭素14を残すためには直径100km以上のサイズが必要であるという試算を提示した。このほどの規模の彗星が衝突した場合、地球上に大型クレーターなどの痕跡が残る。しかし、該当するようなクレーターはないことからこのアイデアは却下された。現時点では、西暦773年に放射性炭素14が増えた原因は不明のままだ。しかし、宇宙から来たということは間違いないだろう。

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