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生き残りをかけたルネサスの工場売却 ソニーが再活用へ
半導体工場の閉鎖や売却が続いている。最近ではパナソニック<6752>が国内外の半導体工場を海外企業に売却した。半導体の大手ルネサス エレクトロニクスも国内の生産拠点の閉鎖、人員のリストラなど再編を進めている。今回は同社の鶴岡工場をソニー<6758>へ売却することが決まった。
山形県鶴岡市の鶴岡工場は、ルネサスの100%連結ルネサス山形セミコンダクタが保有する半導体前工程の12インチウェーハ生産拠点。ルネサスとソニーは、鶴岡工場の半導体製造施設および設備を、ソニーの100%連結子会社であるソニーセミコンダクタ(SCK)に譲渡する資産譲渡契約を締結した。
ソニーは、譲渡された半導体資産を活用し、2014年3月31日にSCK内に山形テクノロジーセンターを設立する。ここは、ソニーのCMOSイメージセンサの新たな生産拠点として設立される。このため、ソニーは、イメージセンサの生産能力増強のための設備投資を2014年度上期から2015年度下期にかけて行う。総生産能力を現在の約6万枚/月から約7万5000枚/月に増強する計画だ。
1990年代にはDRAMを中心に世界のトップにあった日本の半導体産業。今やその面影はまったくない。数少なくなった半導体専業の大手であるルネサスも同様で、大きな赤字を計上し続けている。生き残りのため国内生産拠点の閉鎖・売却や生産ラインの削減など再編を進行中だ。計画しているのは、今回の鶴岡工場のほか、山梨県甲斐市の甲府工場、山口県柳井市柳井工場、熊本県熊本市の熊本工場など。鶴岡工場の閉鎖は、昨年にはすでに決定していたが、今回ソニーへの売却が決まった。
ソニーは、イメージング関連事業をエレクトロニクスのコア事業の1つとして位置づけ、キーデバイスであるイメージセンサの生産能力増強の検討を進めてきた。今回両社の思惑が一致したための売却となった。いわば、ルネサスが収益を上げられなくなった生産ラインを、ソニーが新たに再活用してくれるということだ。日本の半導体産業全体からすれば、ネガティブなニュースではない。(編集担当:慶尾六郎)。
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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