細胞を酸に浸すことで多能性細胞へと変化させられることが発見される

2014年1月30日 18:29

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記事提供元:スラド

aruto250 曰く、 理化学研究所などの研究グループが、マウスのリンパ球を酸性の溶液に入れて培養した後、多能性細胞の維持・増殖に必要な増殖因子であるLIFを含む培養液で培養したところ、多能性細胞に得意な遺伝子であるOct4を持つ細胞が多数得られたという。これを応用することで、iPS細胞よりもさらに手軽かつ安全な万能細胞を作製できる可能性があるという(NHKニュース理化学研究所のプレスリリース)。

 この細胞は正式名称である「刺激惹起性多能性獲得(Stimulus-Triggerd Acquisition of Pluripotency)細胞」の英語表記から「STAP(スタップ)細胞」と命名されたとのこと。

 また、人工多能性幹細胞(iPS細胞)で問題になるがん化や染色体への影響も確認されていない、などとの報道もある(毎日新聞)。

 iPS細胞では作れなかった胎盤への変化も確認され、より受精卵に近い能力を持っていると考えられるそうなので、まさに画期的な発見と言えそう。この製法が人間の細胞にも応用できれば、性能のよい万能細胞の入手が簡単になることで、再生医療の研究が一気に進むかも知れないですね。

 この発見は、従来は遺伝子操作によってしか作れなかった万能細胞を、酸に浸すだけという比較的単純な操作で作ることができたという点で画期的であり、発表論文2本が同時にNature誌1月30日号に掲載される(「Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency」、「Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency」)とともにNature誌のNEWS(「Acid bath offers easy path to stem cells」)にも取り上げられるなど、非常に注目されている。

 なお、なぜこのような現象が発生するかは分かっていないという。今後はヒト細胞への適用を検討するとともに、原理解明を進めていくという。

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