DVx Research Memo(3):症例件数を多く持つ大病院で高い納入実績

2014年1月20日 20:32

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記事提供元:フィスコ


*20:32JST DVx Research Memo(3):症例件数を多く持つ大病院で高い納入実績
■会社概要

(2)事業概要

ディーブイエックス<3079>の事業は「不整脈事業」「虚血事業」「その他」と3つの事業に区分されている。2014年3月期第2四半期累計の売上高構成比は、「不整脈事業」が83.4%、「虚血事業」が14.5%と2事業で全体の97%以上を占めている。セグメント利益では「虚血事業」の比率が29.6%と売上高に対してやや高くなっている。これは、「虚血事業」が主に海外医療機器の国内総代理店(輸入業)として国内の商社向けに医療機器を販売しており、価格支配力が強いことが要因として考えられる。一方、「不整脈事業」ではメーカーまたは商社から関連商品を仕入れて医療施設に販売するビジネスモデルであり、同じ製品を扱う競合企業があるなかで、価格競争が生じやすい事業環境にあると言える。

○「不整脈事業」

同事業での取扱製品は、心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)、電極カテーテル、アブレーション(心筋焼灼術)カテーテルなどが挙げられる。売上高構成比としてはカテーテル(アブレーション用を含む)、が約4割と最も大きく、残り6割を心臓ペースメーカとICD(CRT-D含む)で分け合う格好となっている。

同社の取り扱う製品は専門的な技術知識が必要なため、実際に製品を扱う医師と営業マンの信頼関係が取引上で最も重要視されている。不整脈関連製品を専門に扱う商社は少なく、経験豊富なベテラン営業マンを多く抱え、症例件数を多く持つ大病院での納入実績が高いことが同社の強みとなっている。新規顧客を開拓するきっかけとして、顧客であった医師が転勤した際に、転勤先の医療施設が新規顧客となるケースが多いのもこうした事情による。

○「虚血事業」

同事業における取扱製品としては、自動造影剤注入装置(ACIST)、エキシマレーザ血管形成システム、PTAバルーンカテーテルなどがあり、それぞれ同社が国内総代理店となって、販売代理店を通じて全国の医療施設に販売している。2000年に輸入販売を開始した自動造影剤注入装置は、装置本体の市場シェアで50%、消耗品で同60%以上のシェアを占める競争力の高い商品となっており、同事業が高い利益率を維持している要因にもなっている。本体の累計販売台数は500台超で、国内での普及はほぼ一巡しており、現在は本体のリプレース需要に加えて、消耗品販売が売上高の中心となっている。

エキシマレーザ血管形成システムは、2012年7月にコロナリー(冠動脈治療用)カテーテルの保険適用が認可されたことで普及が本格的に始まった製品で、2013年9月末で41ヶ所の医療施設に導入されている。今後も下肢末梢動脈治療用など適用領域の拡大が期待できる医療機器となる。そのほか、PTAバルーンカテーテルについては朝日インテック<7747>の100%子会社であるフィルメックに製造委託している。

○その他

その他の商品としては、術者の被曝を防ぐWorldwide Innovations & Technologies社製 放射線防護シールド「RADPAD」、心臓ペースメーカやICD(植込み型除細動器)の全データを集録した「ペースメーカ・ICDデータブック」の販売を手掛けているが、売上高規模としては小さく、収益に与える影響は軽微となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト佐藤 譲)《FA》

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