城南進学研究社 Research Memo(3):中間層をターゲットに事業を「全方位」展開

2014年1月20日 19:02

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記事提供元:フィスコ


*19:02JST 城南進学研究社 Research Memo(3):中間層をターゲットに事業を「全方位」展開

■会社概要

(2)事業の概要

城南進学研究社<4720>の事業戦略を理解するキーワードは、「全方位」ということにあると言える。下はゼロ歳児から上は大学生まで、当初の大学受験予備校から上下に対象を拡大させてきた。収益及び業態の観点で区切って4つに切り分けるのが理解しやすいであろう。

第1は、現役・既卒の高校生を対象にした予備校事業である。これは「城南予備校」のブランドで合計11校舎を展開している。生徒数も同社内では圧倒的に多く、収益面の中核となっている。

2つ目の主力事業が「城南コベッツ」ブランドで展開する個別指導教室である。直営とFC合計で222教室(2013年12月初現在)を全国展開している。城南コベッツの対象は小学生から高校生までとなっている。

3つ目の柱が映像授業部門である。これは高校生向けに大手予備校河合塾のフランチャイジーとして「河合塾マナビス」を地方で9校運営している事業だ。収益貢献という観点でも映像事業は3本目の柱に成長してきている。

今後同社が力を入れていくのが低年齢層、特に乳幼児からの教育だ。同社は久保田式教育法に共感し、「くぼたのうけん」ブランドで3教室を運営するとともに、Webスクール、保育園運営と、ニーズに合わせて広く久保田式教育法を提供している。

このような「全方位」の目的について、社長の下村勝己(しもむらかつみ)氏は「囲い込み戦略」と説明する。すなわち、少子化の流れを止められない状況下においては、早い段階から「城南」ブランドを刷り込み、成長に応じたサービスを提供することで、少子化の影響を排して収益成長を成し遂げようとするものである。

学校あるいは教育において「ブランド」が現に存在し、ブランドに対する高いロイヤリティを有する人々が多いことは議論の余地は少ないであろう。しかし、学習塾業界にあって、ブランドに対するロイヤリティをどの程度まで植えつけて収益につなげられるかは、未知の部分も多い。したがって、同社が目指す「囲い込み戦略」の成功についても予断を許さない。ただ、同社にはこの戦略にマッチしている特徴がある。それは同社の各業態が一部例外を除くと、学校の補習であったり、大学受験でいえば中堅クラスの大学に主たるターゲットを置いたりと、児童・生徒の大多数が属する、学力的に中間層を一貫してターゲットとしている点だ。小学校から高校まで「城南」ブランドの学習システムとつながりを持ち続けることで、一定水準以上の大学に進学する道筋を提供できているという点で、まさに「囲い込み」戦略を実践する体制が整っている状況にあると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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