テクノアルファ Research Memo(7):2014年11月期は大幅増収増益の見通し

2014年1月17日 19:38

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記事提供元:フィスコ


*19:38JST テクノアルファ Research Memo(7):2014年11月期は大幅増収増益の見通し

■業績動向

(2)2014年11月期の業績見通しについて

テクノアルファ<3089>は受注変動が大きい半導体製造装置を中心に事業展開しており、業績見通しが容易でないことから、従来から通期業績見通しの公表を行っていない。ただ、2014年11月期は大幅な増収増益となる見通しだ。プラス要因としては、以下の3点が挙げられる。

・パワー半導体の生産回復に伴って半導体製造装置、なかでも収益性の高い消耗品の売上回復が見込まれる
・SI事業では、EMIテスタの海外での売上拡大が見込まれるほか、新製品の投入が予定されている
・円安効果で主力顧客となる自動車、エレクトロニクス業界の収益環境が改善しているだけでなく、食品業界向けにも検査システムで大型受注が見込まれている

一方で、マイナス要因としては為替の円安進展が挙げられる。同社では期中に為替予約を入れるなどして、一部リスクヘッジをしているが、それでも急速な円安はマイナス影響となる。同社の仕入額は前期実績で1,183百万円あったが、このうち外貨建ての仕入額は5割程度(うち8割は米ドル)とみられる。単純に計算すれば1円/ドルの円安で60百万円程度のコストアップ要因となる計算だ。特に半導体装置関係は全量海外からの仕入れになるため、円安が収益に与える影響は大きい。同社では為替予約や販売価格への一部転嫁によって、その影響を極力緩和させる方針としている。

これら要因を総合的に勘案すると、今期売上高は前期比で3~4割程度の増収に、営業利益は前期比3倍増の250百万円程度になると弊社ではみている。事業セグメント別の動向については以下の通り。


○エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業の今期業績に関しては、パワー半導体市場の動向が鍵を握っているといっても過言ではない。パワー半導体の代表品種であるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の国内生産動向を見ると、2012年10-12月期を底に、生産額は上向いており、直近7-9月期は前年同期比で16.9%増と回復基調が鮮明になっている。国内自動車生産、なかでもハイブリッドカーの生産が好調に推移しており、搭載されるパワー半導体の需要が増加していることが主因となっている。また、半導体業界を中心に設備投資関連に回復の動きが出始めていることも追い風となり、2014年のパワー半導体市場は金額ベースで2ケタ成長となる見通しだ。このため、半導体生産と相関の高いワイヤボンダの消耗品需要も、今期は2ケタ成長が期待される。

そのほか前期は低迷した鉛フリー対応のリフローはんだ付け装置も大型受注の獲得により、今期売上高は前期比約4倍増の300百万円弱と急伸が見込まれている。電子材料や電子機器も新商材の投入効果などにより増収に転じる見通しだ。


○マリン・環境機器事業

マリン・環境機器事業に関しては売上高で400~500百万円と若干の回復を見込んでいる。全体的には大きな変化はないが、引き続き巡視船用ダビットの需要が国内外で堅調に推移する見通しとなっている。


○SI事業

SI事業では海外企業から評価され始めているEMIテスタの売上高が前期の70百万円から今期は100百万円へ拡大する見通し。ペリテックのEMIテスタは電子機器から発生する電磁ノイズを卓上のテスタで3次元、あるいは時間経過による変化も含めた4次元での測定を高精度に実現可能としたものだ。

従来、電磁ノイズを3次元空間で測定するためには専用の電波暗室で計測する必要があり、コストと時間がかかっていたが、同EMIテストを使うことによって低コストかつ短時間で電磁ノイズの計測が可能となる。また、機器の設計試作段階でも測定が可能なため、途中段階での設計変更に容易に対応が可能になるなどのメリットもある。電磁ノイズ対策部品や高周波部品で最大手となる村田製作所<6981>に納入されたほか、米大手スマホメーカーからの引き合いもあり、業界では高い評価を受けている。特にマルチバンド化(複数の周波数帯域が利用可能)が進むスマートフォンや関連部品の開発現場においては、ノイズ対策も一段と難易度が増してきており、同社のEMIテスタの需要が拡大していくことが予想される。同社では代理店などを通じて韓国や中国など海外向けの売上拡大を強化していく考えだ。

また、既存のEMIテスタをさらに進化させた新製品も2014年5月末に開発が完了する予定で、今期中の製品化が期待される。同製品は2012年度に経済産業省より助成金を得て開発しているもので、電子機器から発生する近傍ノイズの計測だけで、10mほど離れた遠方でのノイズを高精度に推測する世界初の計測システムとなる。卓上のテスタによって、電磁波ノイズの発生源や遠方での放出レベルを高精度に計測できれば、電波暗室の使用頻度も最小限にとどめることが可能となり、ノイズ対策設計にかかる費用削減効果を含めて電子機器の開発効率を大幅に向上できるものとして期待されている。

同製品はテクノアルファブランドとして販売する予定で、売上高としては販売開始初年度に8台、200百万円、5年後には国内外で1,400百万円規模まで拡大していくことを目標に掲げている。

その他にも今期は食品業界向けに、工場の製造ライン用検査システムで大型受注の獲得が期待されている。テクノアルファの取扱商品を含めてシステムとして納入するもので、1社で約200百万円規模の受注が見込まれている。同社では今回の受注が獲得できれば、その実績をもとに同業他社の開拓も進めていきたい考えだ。


○技術開発への取り組み

同社は製造機能を持った技術商社としての事業拡大を図っていくため、子会社のペリテックとともに先端技術の開発を積極的に行っている。具体的な開発案件として、同社では「半導体後工程検査に特化した画像処理内蔵型外観検査測定器の試作開発」、ペリテックでは「業界初EtherCAT対応の新エネルギー分野向け多チャンネルリチウムバッテリエミュレーターの開発」がそれぞれ「2012年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金(ものづくり助成金)」に採択されており、それぞれ約10百万円の補助金を得て、開発を行っている。

同社が開発する半導体外観検査測定器は、ワイヤーボンディング後の端子の接続状態を検査する外観検査に用いられるもので、従来の目視検査工程を自動化し、検査効率や品質の向上につながるものとして期待されている。同社では2014年3月の事業化を目指している。

一方、ペリテックが開発しているバッテリエミュレーターは、ハイブリッドカーや電気自動車等に用いられるリチウムイオンバッテリーを制御するバッテリーマネジメントシステムの開発で必要となる充放電試験装置となる。EtherCATとは工場内の各種オートメーション機器を通信ネットワークでつなぐ際の通信規格の一種で、現在広く普及しているものだ。ペリテックでは、2014年4月の事業化を目指している。

いずれも具体的な売上計画は非公表なものの、2014年11月期以降の業績に寄与するものとして期待されよう。


○新たなM&Aを発表

1月8日付で、同社は理化学機器の研究開発、製造販売を行うケーワイエーテクノロジーズ(以下、KYA)の子会社化を発表している。総額187百万円で全株式を取得し、今期の連結業績には第2四半期から加わることになる。直近3期間の業績動向は表の通りであり、当面は連結業績に与える影響は軽微とみられる。のれん費用は100百万円程度で、年換算では20百万円程度ののれん償却費用が発生する見込みだ。

KYAは2000年設立のベンチャー企業で、国内の大学や研究所等を主要顧客とし、理化学分野における分析機器の開発、製造販売等を行っている。同社ではKYAが持つ高い研究開発力、大学・研究所に対する強力な販売力と同社の提案力や販売力を融合することで、理化学機器分野における技術商社として、事業の拡大を今後進めてく戦略だ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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