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ネット通販VS実店舗 冬用タイヤビジネスの攻防
毎年1月は、路面凍結や積雪による交通事故が最も多い時期。思わぬトラブルに遭い、「もっと早く冬用タイヤに履き替えておけばよかった」と後悔する人も多いだろう。
82年にスタッドレスタイヤが発売されてからというもの、道路にダメージを与える従来のスパイクタイヤは行政の規制を受け、今では冬用タイヤといえばスタッドレスが主流となった。
スタッドレスタイヤの購入方法としてメジャーなのは、カーディーラー、次いでタイヤ専門店など。近年はこれに加え、ネット通販が台頭してきている。11年の調査(※注:「2011年 日本冬用タイヤ購入店満足度調査」株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック)では、ネットで冬用タイヤを買った人の割合は購入者全体の13%と、前年より4ポイント増えた。2年以上経った現在はもっと増えているだろう。実店舗で買うにしても、事前にネットで情報収集する人は多い。
先の調査によれば、ネットで事前に下調べをした人は、販売員から車に一番合うタイヤを提案された場合、ネットを見ていない人よりも満足度が大きく高まるという。ネットに情報があふれている分、販売員がより深いニーズを引き出し、商品を提案してくれることで満足度が向上するのだろう。価格ではネット通販にかなわない実店舗では、接客技術や提案力の向上が不可欠だ。
ネットショップ各社はこうした実店舗の顧客を奪おうと、低価格と在庫の豊富さに加え「注文後24時間以内に出荷」といったスピードを重視したり、アフターサービスに力を入れたりしている。全国のオートサービス店と提携し、買ったタイヤを自宅近くの店まで届けてくれるサービスも珍しくない。他店で購入したタイヤの持ち込みを嫌がる取付店も多いので、ネットショップの利用者にとってはありがたいだろう。
今後はネット各社も、実店舗と同じような「冬用タイヤ保管サービス」などを展開する例が増えるかもしれない。都市部を中心に、潜在的なニーズは大きい。ネットと実店舗の攻防は、まだ始まったばかりだ。(編集担当:北条かや)
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