ラクーン Research Memo(13):卸売業に必要な機能を強みに来期以降も2ケタ増益基調へ

2014年1月15日 17:19

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記事提供元:フィスコ


*17:19JST ラクーン Research Memo(13):卸売業に必要な機能を強みに来期以降も2ケタ増益基調へ
■成長戦略

(3)「スーパーデリバリー」の成長ポテンシャル

アパレル・雑貨業界のなかでラクーン<3031>が対象顧客とする中小小売店の市場規模は、同社の推計では卸値ベースで約11兆円程度とみている。一方、既に一定のブランドを確立している「スーパーデリバリー」における商品売上高は、2013年4月期実績で8,878百万円と、全体の市場規模から比較するとまだまだ小さい。また、「スーパーデリバリー」の会員小売店が仕入れに同サイトを利用する比率は、現段階では会員小売店の仕入れ総額の10%にも満たないのが現状だ。消費者の多様化が進むなかで、小売店としては幅広い仕入れチャネルを確保する必要があり、インターネットを使った商品調達手段は今後より重要性が高まってこよう。類似する競合企業がいないなかで、「スーパーデリバリー」の成長ポテンシャルは大きいと言える。

卸売業が必要とされる機能として「情報」「決済・与信管理」「物流」機能がある。近年では「物流」に関しては運送業者が担うケースも増えてきているが、「情報」と「決済・与信管理」に関する機能は引き続き企業の競争力を図るうえで、重要な地位を占める。これはインターネットでBtoB事業を展開する同社のようなネット企業にも言えることである。そういう面で、同社は「スーパーデリバリー」で「情報」機能を「Paid」と「売掛債権保証事業」で「決済・与信管理」機能を、というように卸売企業が必要とされる機能を既に確立し、しかも成長軌道に乗せていることは、今後の事業展開において強みとなってこよう。来2015年4月期以降もこれら各事業の成長によって、2ケタの増益基調が続くと弊社では予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》

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