USS Research Memo(9):消費増税が短期的に影響も増益基調は継続する見通し

2014年1月10日 17:23

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記事提供元:フィスコ


*17:24JST USS Research Memo(9):消費増税が短期的に影響も増益基調は継続する見通し
■業績見通し

(2)2015年3月期見通し

USS<4732>の2015年3月期決算に関しては、消費増税に伴う影響が少なくとも前半に出ると予想される。ただ、利益面で見ると、今期に計上する名古屋新会場稼働に伴う一時費用や特別損失約400百万円(名古屋、岡山会場の固定資産除却損等)がなくなること、減価償却費が今期見込み比で200百万円から300百万円の幅で減少することなどから、売上高が伸び悩んだとしても、増益基調が続く可能性は高いとみられる。

また、同社ではここ数年伸び悩んでいたオークション市場のシェアに関して、改めて拡大していく方針を示している。従来は中期的に40%、うち既存会場で35%まで引き上げていくことを目標に掲げていたが、ここ数年は、2008年の34.7%をピークに若干低下しているのが現状だ。

この背景として、2008年秋のリーマンショックで業績が悪化した際に、市場シェアの拡大よりも収益性の強化を優先したことがある。各会場において割引制度を見直したことで収益性は着実に向上してきたが、逆に台数シェアを落とす結果ともなった。もちろん、この間に補助金制度の導入を追い風にしてメーカー系列のオークション事業者がシェアを伸ばしたということも影響している。

こうした状況下で同社は、営業マンの意識改革を図ること、あるいは会場のインフラ環境を改善し、オークション会場への参加者を今まで以上に多く集めることによって、シェアを拡大していく考えだ。営業活動においては、新規開拓と既存顧客へのフォローアップを強化する。また、オークション会場のリニューアルに関しては、2014年に岡山で新会場を稼働するほか、北陸でも新設を検討している。

ただ、適当な用地の確保が難しい場合、北陸では既存会場の改修などで対応していく可能性がある。その他の会場においても、コンピューターシステムの更新や老朽化した設備などの改修を進めていくことで、来場者の増加につなげていきたい考えだ。割引制度を活用すれば、簡単にシェアは上がるとみられるが、同社では収益性を落とすことなく、シェアの拡大を同時に実現していく方針としている。

こうした取り組みが効果を表せば、1-2年でシェア35%の達成が可能とみられ、業績拡大を更に後押しすることになろう。また、シェア40%の達成に向けては、M&Aが必要とみられるが、現状では投資効果に見合う案件が出てきておらず、今後の動向が注目される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NT》

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