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ラクーン Research Memo(2):スーパーデリバリーはアパレル特化型BtoBサイトで日本最大級
*17:17JST ラクーン Research Memo(2):スーパーデリバリーはアパレル特化型BtoBサイトで日本最大級
■事業概要
ラクーン<3031>の事業は、アパレル・雑貨中心のBtoBサイト「スーパーデリバリー」やBtoB取引における掛売り・請求書決済代行サービス「Paid」を含むEC事業と、2010年11月に子会社化したT&Gが手掛ける売掛債権保証事業とで構成される。
(1)EC事業
○スーパーデリバリー
同社の主力事業である「スーパーデリバリー」は、アパレル・雑貨を中心とした中小小売店向けの仕入れECサイトである。2013年10月末時点で、会員小売店数38,448店舗、出展企業数941社、商材掲載数416,268点となっており、BtoBに特化した専門サイトとしては日本最大級となる。
会員小売店は全国に幅広く分散しており、同サイトを利用することによりECサイトならではのメリット(遠隔地との取引や、取引実績のない相手との取引を可能とする)を享受することができる。実際、会員の地域別分布はほぼ人口・店舗数に比例した格好となっているが、稼働率は地方会員の方が相対的に高い傾向にある。
出展企業(メーカー・卸業者)にとっては、新規取引先開拓にかかる営業費用及び販売代金回収のための決済コストを、同サイトを利用することによって削減できるというメリットがある。特に中小規模の小売店をメーカーの営業マンが開拓することは非効率的であるため、同サイトの利用価値は高いと言える。
「スーパーデリバリー」の収益構造は、会員小売店、出展企業の両者から料金を徴収するバランスのとれたビジネスモデルとなっている。安定収入としては、出展企業から得る出展基本料(月額4万円)と、会員小売店から得る小売店月会費(月額2千円)とがある。また、変動収入としては、出展企業から会員小売店に卸した商品代金の10%をシステム利用料として徴収している。
実際のモノの流れとしては、出展企業が直接会員小売店に商品を送る格好となるため、同社は介在していない。しかし、代金の流れとしては、同社が出展企業の代わりに会員小売店から代金を回収し、出展企業に支払う格好となるため、売上高として商品代金を計上し、システム利用料を控除した額を売上原価として計上する格好となる。
以上から、「スーパーデリバリー」の粗利益は、毎月徴収する会費や基本料などの安定収入(粗利益率はほぼ100%)とシステム利用料(粗利益率10%)の合計となる。つまり、商品売上高が大きくなればなるほど全体の粗利益率は低下していくことになる。実際、商品売上高の拡大とともに、EC事業の粗利益率は低下する傾向となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《NO》
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