BBT Research Memo(6):幼児から社会人まで「生涯教育プラットフォーム」を構築

2014年1月9日 18:35

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記事提供元:フィスコ


*18:35JST BBT Research Memo(6):幼児から社会人まで「生涯教育プラットフォーム」を構築

■決算概要

(2)アオバインターナショナルエデユケイショナルシステムズの子会社化

○アオバ・ジャパンインターナショナルスクールの概要

ビジネス・ブレークスルー<2464>は2013年10月に「アオバ・ジャパンインターナショナルスクール(以下、アオバ)」を運営する株式会社アオバインターナショナルエデユケイショナルシステムズの株式を67.3%取得し、子会社化した。出資額は102百万円となる。

アオバは1976年に開校した幼児から高校生までの共学一貫校である。現在、東京・練馬区の光が丘キャンパスで幼稚・初等部(3~12歳)、中等部(11~16歳)、高等部(16~19歳)を、目黒区の目黒キャンパスで幼児向け(1.5~学齢未満)の教育事業を展開している。2008年までは生徒数約600名の規模であったが、その後のリーマン・ショック、2011年3月11日の震災・福島第一発電所事故等の影響で外国人生徒が減少し、現在は約300名の水準である(うち、3~4割は日本人生徒)。アオバは送迎バス8台を保有し、遠方からの生徒の送迎にも対応している。

直近3期間の業績と資産状況は表の通り。2013年7月期に大きく損失が出た格好となっているが、これは生徒数が減少したことに加えて、キャンパス移転(2012年に杉並区から練馬区に移転)に伴う固定資産(借地権等)の売却損308百万円を特別損失として計上したこと、また、移転に伴う修繕修理費や引越費用を計上したことなどが要因である。

同社の連結業績には、2013年11月以降の5ヶ月分が反映されることになる。現在、2014年3月期の連結業績に対する影響を精査中であるが、およそ売上高で250百万円のプラス要因、営業利益は20~30百万円のマイナス要因になるものと思われる。また、買収に伴うのれん費用は、総額で500~600百万円、20年の定額償却方針である。2014年3月期ののれん償却額は、5ヶ月分の11百万円程度が見込まれる。

遠隔教育を主力とする同社が実際の学校を運営するアオバを子会社化した目的は、同社の経営理念である「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」を更に推し進める為である。グローバルに活躍する人材を育成する為には、幼少の頃から国籍やバックグランドの異なる多様な生徒との学校生活を通じて、英語・日本語等でのコミュニケーション力や国際感覚を自然に身につける教育を提供すべきであるという考えに基く。また、提供する教育サービスのラインナップという観点からは、今回の子会社化によって幼児から社会人、幼稚園から大学院、オンライン(遠隔)からリアル(集合)までの全てをカバーする「生涯教育プラットフォーム」の実現に向けた大きな一歩を踏み出した事になる。

○国際バカロレアの普及に注力

また同社は、グローバルリーダーの育成を進めるに当たり、アオバが提供する教育カリキュラムについて、新たに国際バカロレアの認証取得を目指す。国際バカロレアとはスイスに拠点を置く国際バカロレア機構の定める教育課程のことで、3~19歳の子供に対して年齢に応じて3つのプログラム(初等教育プログラム(PYP)、中等教育プログラム(MYP)、ディプロマ資格プログラム(DP)で構成される。

国際バカロレア機構は、DP課程を修了し、同機構が実施する最終試験に合格した学生に対して、IBディプロマと呼ばれる資格を付与する。欧米の主要大学は、IBディプロマ保有者を「自国の高等学校卒業と同等以上の学力がある」として認定し、大学受験資格をあたえている。言わば、「国際的大学入学資格」に相当するものとなる。大学によっては、DP課程で優秀な成績を収めた生徒に対して、一部の入試免除、入学後の単位取得免除、2年次への飛び級、奨学金などのアドバンテージを付与するところもある。

国際バカロレアの教育課程を実施できる学校は、国際バカロレア機構が認可した学校に限られており、2013年10月現在で全世界146ヶ国、3,671校の学校で導入され、年々拡大している。日本における認定校は27校であり、うち3校のみが、PYP(初等)、MYP(中等)、DP(高校)の全課程で認可を受けている。IB認可校の大半はインターナショナルスクールであり、日本の学校(一条校)としては7校が認定されている。

日本政府も、国際感覚にあふれたグローバル人材の育成を強化する方針を打ち出しており、国際バカロレアのDP認定校を2018年度までに200校へ増やすことを目標に定めている。

同社は、まずアオバの幼稚・初等部、高等部で国際バカロレアのPYP、DPの認定取得を目指している。今後、認可に向けてアオバのカリキュラムを国際バカロレアに沿ったものへ変更していく。

過去数年、アオバの生徒数は逓減傾向にあったが、今後、国際バカロレア申請校として教育内容を刷新していくほか、特定の宗教や国の教育制度の色の無い、中立性の高い男女共学の一貫校として、その独自性を強化する予定である。また、マーケティングスタッフの強化を進め、生徒数の拡大を目指していく方針だ。例年、新規入学者は春と秋が中心となるため、2014年7月までにどれだけの生徒を募集できるかが2015年3月期の業績の鍵を握ることになる。

アオバの業績に関して、損益分岐点の目安は生徒数で350名強、売上高で650~700百万円の水準とみられ、同社では少なくとも2年後には黒字転換を図っていきたい考えだ。これまでは、学校の運営を経営のプロが管理していたわけではなかったが、同社が経営に携わることで、収益性の改善が進む可能性は十分ある。ちなみに、リーマン・ショック以前のアオバの業績は売上高で1,200百万円、営業利益で100百万円程度であった。同社では、同じ売上高規模であれば、営業利益で150百万円程度を稼ぎ出すことは可能とみている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト佐藤 譲)《FA》

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