関連記事
「効率化」は中産階級の空洞化を招くという議論
danceman 曰く、 The New York Timesが、「利益をもたらしてくれるという効率化は、最終的には失敗の元凶となってしまう」という主張を紹介している(slashdot)。
これは、昨年5月に出版されたJaron Lanier氏の「Who Owns the Future」という書籍で主張されているもの。たとえば、米国最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、サプライチェーンを管理するのに導入したテクノロジーによって最初は大きな利益を生み出すことができたが、時が経つにつれて競合相手やサプライヤーが従業員の多くを解雇することとなり、その結果「徐々に自らのカスタマーベースを貧しくする」ことになるとしている。
また、KodakとInstagramを例に挙げ、デジタル経済は中産階級の空洞化を加速させるものであるとしている。絶頂期のKodakは14万人以上の従業員を雇っていたが、いっぽうで人気の画像共有サービスを提供していたInstagramは、Facebookによって買収された2012年時点ではたったの13人しか従業員を雇用していなかった。ネットワークが大きな価値を生み出すためには多くの人の参加を必要とする一方で、その報酬はほんの僅かな人間にしか行き渡らず、富の集中と景気減退を招く逆効果であると氏は指摘している。
GoogleやFacebookのようなユーザーのコンテンツに頼っているような企業は、コンテンツが使用された場合にはユーザーにマイクロペイメントの支払いを行い、自らのカスタマーベースを裕福にする努力を行うよう提案している。現在のやり方では、永遠に存続することはないとしている。
スラッシュドットのコメントを読む | ITセクション | ビジネス | インターネット | お金
関連ストーリー:
「年収300万、残業なし、有給消化100%、昇給は基本的になし」で終身雇用するのは優良企業なのか 2013年08月12日
製造業のロボット化により、景気回復しても雇用が回復しない 2013年05月02日
オフショア開発は雇用に影響しない? 2004年06月15日
※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク