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オフィスにおける安全マニュアル
職場の安全性ときくと、大部分の人は、ヘルメットや重機、さらには潜在的にいたるところで悲惨なけがをする危険性がある工業環境といったイメージをすぐ思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、オフィス環境において命に係わる事故が起こることはめったにありません。それにもかかわらず、事業を運営する人はだれでも従業員の安全を確保するよう取り組む時間をとらなければなりません。
そこで、まず手始めに取りかかるといいのが職場の安全マニュアルです。以下では、標準的な職場環境で起こりがちな危険をいくつかまとめて、事故やけがに安全マニュアルがどのように対処できるか(そして防ぐのに役立つか)に焦点を当ててご紹介します。
1.ストレス
ストレスが原因で引き起こされた、あるいは悪化した様々な病気は、たいていの場合、職場環境に起因する可能性があります。事実、アメリカのいくつかの州では、職場で起こったストレスに関する病状、たとえば心臓発作や脳卒中は労働者災害補償保険法の適用を受けられる可能性があるとしています。
したがって、従業員に緊張を強いる、あるいは多忙な事業を運営している雇用者は、自社の安全マニュアルのなかでストレス管理戦略に取り組むべきなのです。
たとえば、一日を通して一定の時間間隔で休憩をとるよう従業員に奨励してもいいでしょう。加えて、従業員が仕事に関するストレスから解放されるように、スポーツクラブと契約して彼らが施設を利用できるように取り計らってみてもいいでしょう。
2.身体の酷使
その業務は身体活動を多く伴うものではないかもしれませんが、内勤者も時々重いものを持ち上げるようお呼びがかることもあるでしょう。
安全マニュアルでは、オフィスで重いものを動かすときは手押し車や台車など適切な道具を使うよう従業員に勧めるべきです。
もしそういった道具を使うという選択肢が用意できなかったら、筋違いやその他のけがを負うリスクを最小限にする持ち上げ方をマニュアル内で指導すべきです。
そしてその重いものを動かす前に持ち運んでいく道順を決め、通り道にある障害物を取り除いておきましょう。また、運ぶものが重くない場合でも、大きなものや変わった形のものをうごかすときは助けを呼びましょう。
3.反復動作
オフィス環境では命の危険に関わるようなけがをすることはまれですが、常に机について定期的にパソコンを使用している従業員は反復動作が原因の疾患になりやすい状態にあります。
絶え間なくタイピングをするような同じタスクをしていると、手根管症候群や腱炎など強い不快感をもたらす様々な疾患を引き起こすことになります。
安全マニュアルではこれらの疾患を生じる危険性について従業員に警告し、最初から予防する手段を教えるべきです。たとえば、症状の発現を減らすために、座った姿勢を修正し、腕の位置を変え、人間工学に基づいたオフィス製品を使うようにしてみてはどうでしょうか。
4.転倒
もっとも安全性に優れたオフィスでも、滑ったり転んだりすることさえないというわけにはいきません。雇用者は従業員にその種のけがの原因となる事故を減らす方法について情報を提示しなければなりません。
たとえば、転倒につながるあらゆる危険な状態―濡れた床など― を従業員が見つけたら、上司に知らせるようマニュアルで義務付けるべきです。さらに、社員全員で職場をきちんと整頓し、誰かがつまづくことのないようにがらくたや障害物が存在しないようにする必要があります。
5.職場内暴力
安全マニュアルでは、職場における暴力は絶対に許さないという会社の姿勢を明示しなければなりません。万一殴り合いのような喧嘩が起こった場合に方針によって解雇や停職、あるいはその他の規律を義務付けるなら、マニュアルの中でそのことを明記しておきます。
また、公平な調停者に管理された状況のなかで当事者たちが互いの対立を解消しようと試みる紛争処理プログラムを実行してもいいでしょう。
6.乗り物の運転
安全マニュアルでは社用車を運転したり勤務時間中に事業目的で運転する従業員に対する規則を述べなければなりません。
言うまでもなく、その規則には、アルコールや薬物の飲用、運転中の携帯メッセージ操作、道路交通法違反など、危険な行動を禁止することも盛り込みます。
併せて、マニュアルでは自動車事故が起こった場合にはアメリカでは911に通報し、またどんな事故でも車の損壊でもすぐ会社の経営陣に報告するよう指導しなければなりません。
安全マニュアルは、これらの項目を必ず取り上げることで、雇用者を責任が問われることから保護し、従業員を回避可能な事故やけがから守る包括的な資料になるはずです。
今回の内容はJay Acker氏によるゲスト投稿です。Acker氏はsafetyservicescompany.comで製作チームを率いています。この会社は安全訓練に関する商品を販売すると共に、contractor verification assistance (請負業者検証支援)サービスを提供しています。
※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。
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