パナホーム 新会社設立でストック事業に注力

2013年11月23日 16:59

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 創立50周年を迎えたパナホーム<1924>が、矢継ぎ早に新たな展開をみせている。

 10月30日に発表された同社の平成26年3月期 第2四半期決算発表では、戸建請負事業においては、パナソニックの太陽光発電システム「HIT」を採用した「カサート エコ・コルディス」の受注が好調であるなど、エコ&スマートを基軸とした商品を展開しているほか、都市型多層階住宅として、多彩なくらしに対応できる5階建てのモデルハウス「Vieuno5(ビューノ・ファイブ)青山」を渋谷でオープンするなど、市場のニーズに対応した商品提案を行っている。また、分譲事業においても、「パナホーム スマートシティ」を各地で展開するなど、各事業部門で積極的な経営を行っている。

 また、パナホームではリフォーム事業にも力を入れており、4月1日に100%出資の子会社「パナホーム リフォーム株式会社」を設立。設計・施工をはじめとする体制を整ったことにより、10月1日付けで営業を開始している。パナホームは、同社を10月に新設したストック事業本部の傘下に位置づけた。2018年度には、ストック事業で、同社を含めグループ全体で1000億円の売上を目指すという。

 さらに、株式会社 合人社計画研究所との合弁で「パナホーム・合人社コミュニティ株式会社」を設立すると発表した。新会社の主な事業は、パナホームが分譲するマンションの管理業務で、合人計画研究所のマンション管理のノウハウと経験を生かしたサービスを提供していく。

 また一方で、合人社計画研究所が管理するマンションの区分所有者に対して、パナホームが住まいづくりで培ったノウハウを生かすマンションリフォームを、パナホーム リフォーム株式会社を通じて提案していくことで、両社の強みをさらに生かした事業を展開していくとしている。

 パナホームのこうした一連の動きは、今後の住宅市場の変化を見越してのものと思われる。消費税増税が決定されたことを受け、駆け込み需要の増加によって、ハウスメーカー各社ともに9月の受注は前年同月を大きく上回っている。

 住宅ローン減税の拡充などで、政府も消費税増税による市場の冷え込みを抑えるべく対策を打っているが、15年にはさらに10パーセントへの値上がりも予定されていることから、市場の動きは混沌としているのが現状だ。ユーザーにとっても、本当の買い時がいつなのか、見極めが非常に困難になっている。

 そんな状況だからこそ、今後のハウスメーカーは、販売や技術、商品内容はもちろんの事として、ユーザーとの接点をいかに増やすかが重要になってくるのではないだろうか。また、ユーザー側としては、戸建てにしてもマンションにしても、目先の増税だけに惑わされることなく、リフォームや管理、メーカーの信頼も含め、将来的なことも見据えて住宅を検討したいものだ。(編集担当:藤原伊織)

■関連記事
消費増税決定のタイミングで、パナホームがリフォーム事業を分社化
スマートエナジー戦略とネット・ゼロ・エネルギー社会への展望
これからの賃貸住宅に求められる、実益と質
2年目を迎え、本格化する日本版FIT
渋谷に登場したスマートハウス展示場 注目度が高いモデルハウスは?

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事