「勝率100%」のじゃんけんロボット 「事故ゼロ」運転の可能性も?

2013年11月21日 11:30

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記事提供元:NewSphere

 今月初旬に開催された「iREX 2013(2013 国際ロボット展)」に「勝率100%じゃんけんロボット」が出展され、そのデモンストレーションを見ようと非常に多くの人が集まった。

 ロボットを出展したのは東京大学 石川・奥研究室。動画を見ると、確かにロボットが常に勝っている。人間が連続して速いスピードで手を変え続けても、ロボットもそれに反応してその手に勝つ手を出し続けている。

 どうしてこんなことが可能なのか?と不思議に思うだろう。こちらの考えを感知できるのだろうか?

【後出し?先出し?】

 今回、石川・奥研究室が出展したロボットはバージョン2に当たる。昨年6月に公開されたバージョン1は、人間の「手」が出てから、それを認識して勝つ「手」を出す、じゃんけんの反則である「後出し」をしていた。それを人間が「後出し」だと認識できないほどの速いスピードで行っていたのだ。

 それが今回のバージョン2は、「先出し」もしくは「同時出し」をすることができるようになった。つまり、人間の「手」が形作られる前の僅かな動きから、出す「手」を予測できるようになったのだ。人間よりも指の動きが速いため、人間よりも先に「手」を出し終わることが可能だ。

【海外の報道】

 このロボットは、ハフィントン・ポスト米国版やBBC、デイリー・メールなど、複数の海外メディアで取り上げられている。特に研究者の意図、技術の応用について注目されているようだ。例えば乗り物に応用できれば、危険を予測して先回りし、事故を防ぐシステムの実現が期待できる。

 BBCは、高性能ロボットを使って人間の感覚を再現しようとする「センサフュージョン」の研究について言及。このロボットの特徴が、「予測」ではなく高速の「認識」、「反応」能力にあるとしたうえで、「事故防止や仮想の株式市場など、1ミリ秒の遅れが命取りになる状況では、ゲーム理論と行動パターンを利用して、高速反応と高速予測を組み合わせる必要がある」とのエディンバラ大学ロボット工学の教授の見解を紹介している。

 デイリー・メールは、研究者の目的が「人間とロボットの協力関係の強化」にある点を紹介。この技術が、「遅延なしの人間の動作支援や人間との協調作業などに、応用展開されると期待できる」との同研究室の声を伝えている。

【海外の反応】

 記事に寄せられたコメントは、「それで何がしたいの…?」、「他にやるべきことないの」、「なんて時間とお金の無駄なんだ」といった否定的なものから、「どうやったらこのロボットをだませるか何時間も試していられると思うな。とてもクールだ」、「この技術は自動車業界でとても価値あるものになる可能性があるね」といった肯定的なものもあった。

 「じゃんけんに勝つ」この技術、どういった形で実用化されていくのか、今後に注目したい。

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