TSAが採用した「行動パターンから要注意人物を特定する手法」、信頼性は低い

2013年11月20日 06:00

印刷

記事提供元:スラド

eggy 曰く、 米運輸保安庁(TSA)が2007年より9億ドルをかけて開始している「SPOT(Screening of Passengers by Observation Techniques)」プログラムは、旅客の行動を観察・分析することで飛行中の安全を脅かすリスクのある人物を特定するという手法だ。しかし、これは科学的な根拠に欠けるとして、米会計検査院(GAO)が議会および大統領に対して同プログラムへの予算取消を求めているとのこと(本家/.The Verge記事)。

 SPOTプログラムには膨大な予算が注ぎ込まれたが、同プログラムを調査したGAOによると、この手法では「たまたま犯罪者を見つけるのと同等、もしくはそれよりわずかに高い確率」でしか犯罪者を見つけられないという。

 GAOが、行動パターンから要注意人物を特定する職員(BDO)25人に対してインタビューを行ったところ、21人が手法の一部は主観に基づいていると答えている。また2011と2012年のデータを分析したところ、BDOが旅客の行動パターンから危険人物と特定して、更なるスクリーニングを行った照会の割合は空港ごとに差があり、同手法は信頼性に問題があるとしている。

 スラッシュドットのコメントを読む | セキュリティセクション | セキュリティ | アメリカ合衆国

 関連ストーリー:
TSAが注意を喚起「手榴弾は家に置いてくるように」 2013年09月13日
TSA、米国内の全空港でX線を使用する全身透視スキャナーの撤去を完了 2013年06月02日
空港の「全身透視スキャナー」、下着内に隠した拳銃を見抜けず 2011年03月02日
米国、触診検査をより不快にすることで全身スキャンによる身体検査を奨励 2010年11月01日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事