日航、パイロット訓練において日本初となるMPL訓練を導入

2013年10月21日 19:00

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 日本航空(JAL)は21日、今後のパイロットの養成にあたり、今回英COAA社(CAE Oxford Aviation Academy Phoenix Inc.)と契約を締結し、日本初となるMulti-crew Pilot License(以下MPL)を取得する訓練を、JAL社員を対象に2014年4月から開始すると発表した。なお、訓練は米アリゾナ州フェニックスで行われる。

 COAA社は、世界5大陸11カ所に飛行訓練学校を持つ、基礎訓練では世界最大級のパイロット訓練機関。海外他社のMPL訓練を受託し、実績を上げている。COAA社には、エアラインその他へのシミュレーター供給および訓練の分野で世界的な大手法人であるCAE Inc.(本社:カナダ)が100%出資している。

 MPLは、エアラインのパイロットのうち副操縦士に求められるライセンスで、2006年にICAO(国際民間航空機関)で規定され、2012年に日本においても法制化された新しい制度。MPLの養成課程では、常に最新の訓練手法を取り入れ、従来とは異なり初期段階からマルチクルー(機長と副操縦士の2人)の運航を前提に訓練することで、エアラインのパイロット養成に適した体系となっている。海外では数年前から複数のエアラインで導入され、現在、既に多数のMPL訓練による副操縦士が運航に従事している。

 MPL訓練が実現すると、従来方式よりも訓練期間が約6カ月短縮となるが、「航空機の操縦操作や手順に関する能力」に加えて、エアラインの運航に求められる「2人のパイロットがチームとなって安全運航を遂行する能力」が初期段階から身につき、効果的なパイロット養成が可能となる。

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