シャープ、アミューズ、アークスなど/本日の注目個別銘柄

2013年10月17日 15:54

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記事提供元:フィスコ


<6753> シャープ 290 -9反落。前日には公募株の受渡期日を迎え、朝方の売り一巡後は需給の最悪期通過として切り返す展開になった。大引けのMSCIリバランスなども需給面での期待材料とされた。ただ、本日はドイツ証券の目標株価引き下げなどで戻り売り優勢に。ドイツ証券では、増資の大半が退職年金債務で相殺されるため、期末自己資本比率は依然として7%と脆弱であると指摘。下半期業績は会社計画未達の公算ともしており、目標株価を210円から122円にまで引き下げ。

<9503> 関西電力 1327 +36大幅高スタート。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。最終損益は従来予想の320億円の赤字から150億円の黒字に増額へ。猛暑効果が上振れの大きな要因につながったようだが、黒字化は想定外とのポジティブなインパクトに。また、JPモルガン(JPM)では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価を1360円から1520円に引き上げている。原子力再稼動に向けて状況は落ち着きつつあり、評価軸はニュースフローからファンダメンタルズに移行していくと考えているもよう。

<6702> 富士通 409 +22大幅続伸。ゴールドマン・サックス(GS)では投資判断を「売り」から「買い」に、一気に2段階格上げしている。目標株価も335円から480円に引き上げへ。携帯電話事業の低迷など悪材料は概ね認識されたとみられる一方、ITサービス事業の循環的回復ペースは従来想定を上回る公算大と。つれて、中期的な業績予想を増額修正、株価はこうしたポジティブな変化を織り込む余地と。

<3046> JIN 3530 +180大幅続伸。前日には米国進出を発表、5年間で100店舗の出店を目指すとしている。米国でのメガネの市場規模は日本の約5倍とされており、今後の業容拡大につながっていくとの期待感が先行へ。また、昨日は決算説明会も開催されているもよう。新商品として、新素材を採用した「Airframe ULTRA」、「JINS Moisture」第2 世代、「JINS 花粉Cut」第3世代などを発表している。

<7013> IHI 406 +12しっかり。上半期営業利益は前年同期比2割弱増加の170億円前後になったもようとの観測報道が伝わっている。従来予想は130億円であり、一転して増益に転換したようだ。世界的な航空輸送量の増加などを背景に、利益率が高い航空機エンジン部品が好調であったようだ。160億円程度であった市場コンセンサスも上回る水準であり、ストレートにポジティブな材料と受け止められている。

<4739> 伊藤忠テクノソリューションズ 3785 +265大幅続伸。前日には業績予想の下方修正を発表、営業利益は上半期が101億円から56億円に、通期では280億円から250億円にそれぞれ下方修正へ。情報通信分野の低迷に加えて、競争激化に伴って利益率も低下しているようだ。ただ、第1四半期は前年同期比87%減と大幅減益になっていたため、業績下振れは十分に織り込まれていたとみられる。80万株を上限とした自社株買いの実施、自己株式消却なども支援材料に、悪材料出尽くし感が優勢となる。

<5612> 日本鋳鉄管 250 +25買い優勢。前日に発表した上半期業績の上方修正が買い材料視されている。営業利益は従来予想の4.8億円から6.0億円に増額修正、一転しての増益見通しに転じる。第1四半期は前年同期比21%減益と低調スタートだったため、上方修正のインパクトは大きくなっているようだ。ちなみに、7-9月期営業利益は前年同期比19%増益となる格好に。

<4301> アミューズ 1945 +137買い優勢。SMBC日興証券では投資判断を「A」として、新規カバレッジを開始している。第1四半期の大幅減益決算発表後は株価が軟化しているが、会社計画は概ね達成が見込まれる中、予想PER7倍水準には割安感が強いと指摘している。第2四半期は大型コンサートツアーの収益計上などで前年同期比大幅増益見込み、業績を安定化させる収益の第二の柱としてファンクラブ収益が着実に拡大していることなども評価と。

<9948> アークス 1855 -88下落率2位。前日に上半期の決算を発表、営業利益は63.8億円で前年同期比8.3%減益、従来予想の71億円を下回り減益となった。三菱UFJでは、計画未達懸念はあったものの、想定よりネガティブな印象と指摘。引き続き販売状況の悪化がグループ主要企業に広がっており、グループの集客力に陰りが出ている感は否めないと。

<9201> 日本航空 5860 -10上値重い。SMBC日興証券では投資判断を「1」から「2」へ格下げしている。目標株価は7200円から6800円に下げ。今期業績は上方修正しているが、羽田空港国際線発着枠の不利な配分により、来期以降の国際線供給見通しは下振れ、人件費や燃油費の継続的増加なども加わり、来期営業利益は1650億円から1600億円に下方修正、減益基調が続くとみているようだ。一方、全日空<9202>の投資判断は「2」から「1」に格上げしている。《FA》

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