アバント Research Memo(2):技術的優位性で契約企業を拡大

2013年10月1日 20:47

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記事提供元:フィスコ


*20:47JST アバント Research Memo(2):技術的優位性で契約企業を拡大
下記のとおり修正します。
(誤)日立情報システムズ<4741>
(正)日立情報システムズ


■会社概要

(1)会社沿革

ディーバは1997年に現代表取締役社長である森川氏が創業。大手外資系コンサルティング会社出身である森川氏は、前職で数々の大規模プロジェクトを担当する中で、「連結会計」に付随する経営情報を多様に活用していく事のビジネス的な価値(Corporate Performance Management市場の成長性)と、顧客企業の潜在的なニーズにいち早く着目した。そして創業当初から「連結会計」に絞ったソフトウェアの開発・販売・支援事業を行ってきた。同社の主力パッケージ・ソフトウェアである「DivaSystem」も、森川氏が前職にて担当した日本を代表するグローバル企業の連結決算業務において作り上げてきたシステムがベースとなっている。これは「制度連結」による決算業務の処理を効率化するだけでなく、様々な経営データ(売上や費用などの詳細分析など)を経営の意思決定に役立てるための「管理連結」にも対応しているのが特徴となっている。

「DivaSystem」発売当初は、まだ販売チャネルを自社で持っていなかったことから、大手監査法人のバックアップを得て、契約企業数を伸ばしていくことになる。実際には、監査法人の会計士が担当企業に「DivaSystem」の導入を推奨していたわけだが、既にグローバルな大企業が利用しているシステムという「実績」と「信頼性」に加えて、その「機能性」も高く評価された。具体的には、100社程度の連結グループ会社を持つ企業の連結決算の処理において、従来は約5時間程度を要していた業務処理の時間を、「DivaSystem」では5分程度で処理が可能となったという事例もある。このことからも、業務効率の大幅な改善効果が期待でき、販売当初は明確な技術的優位性を誇っていたことも契約企業が増加した要因となった。

契約企業数が100社程度までは大手監査法人経由での契約が中心であったが、その後はNTTデータ<9613>や日立情報システムズなど複数のSIer(システムインテグレーター)と代理店契約を結び、販売チャネル網を拡大しながら契約数を伸ばしていった。現在の販売チャネルは直販が6割強、SIer経由が4割弱といった売上構成となっている。

2007年には大阪証券取引所ヘラクレス(現東証 JASDAQ)に上場し、同年には「DivaSystem」の利用企業が500社を突破。2008年以降は、グループ展開やM&Aへの取り組みも活発化させている。2008年には米国に研究開発を目的とした子会社を設立したほか、2009年には企業の開示情報、会計関連法令などの情報検索システムを手掛けるインターネットディスクロージャーを100%子会社化、2011年には連結会計システムだけでなく、個別会計システムやERPなど他社の商材なども含めて販売展開する子会社、ディーバ・ビジネス・イノベーションを100%出資で設立した。

また、2012年にはBI分野のソリューションサービスを展開するジールを事業承継によって子会社化した。ジールは、主要な大手海外ベンダーのBIツールを「管理連結会計・経営」やビッグデータに関連する市場向けに導入支援を行うSIerである。ジールのグループ加入により、新たに事業領域として「ビッグデータ」「BI」市場をカバーする事となり、今後グループ全体の多様性・付加価値の深化が期待される。

なお、冒頭で触れた様に、事業持株会社であった株式会社ディーバは2013年10月1日に持株会社体制へ移行したことに伴い、商号を「アバント」(英文で「AVANT CORPORATION」)に変更した。持株会社の経営ミッションは「プロフェッショナルサービスの大衆化」(具体的には、専門性の高いサービスをより低価格で、かつより多くの企業への出来る限り速やかに普及させることを目指す)である。アバント<3836>は「先進的な」を意味する「アバント」を社名に、今後のグローバル展開を加速化させていく意向である。(尚、既に連結会社用のソフトウェアとして高いブランド力を獲得している「ディーバ」の名称は新設分割会社の商号とする)。

同社は1997年の創業来16年間一貫して、最終黒字を達成するなど、ベンチャー企業としては特筆すべき堅実かつ安定的な経営実績を積み重ねている。同時に、売上高ベースで年率20%の成長目標(同社経営上の主要ミッションである)もリーマン・ショック後のマクロ環境の悪化時を除けばほぼ達成されており、堅実さと成長性を兼ね備えた希少な企業のひとつと言える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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