神戸製鋼、中国に自動車用アルミ板材の製造・販売会社を設立 約190億円を投資

2013年10月1日 13:07

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 神戸製鋼所は9月30日、中国・天津市の西青(シーチン)経済技術開発区において、自動車パネル用アルミ板材(以下、パネル材)の製造・販売を行う新会社を設立すると発表した。新会社の設立は2014年初頭の予定で、製造工場は2016年に稼働する予定。総投資額は11.5億人民元(約190億円)。

 新会社は、日系アルミ圧延メーカーでは初めての、中国におけるパネル材の現地生産拠点となる。真岡製造所から冷間圧延後の母材を供給し、現地では熱処理、表面処理などの精整工程を行う。

 神戸製鋼は、1980年代に日系自動車メーカー向けに初めてパネル材を納入して以来、日本市場を中心に実績を積み上げてきた。この結果、神戸製鋼は日本のパネル材市場において50%強のシェアを有している。神戸製鋼はパネル材について、独自の材料開発や熱処理などの生産技術に加え、アルミに適した形状設計や加工のノウハウなどを有しており、日系自動車メーカーはもちろん、欧米系自動車メーカーからも高い評価を受けている。

 今回進出を決めた中国は世界最大の自動車市場であり、その生産台数は今後10年間で5割程度増加すると見込まれている。加えて、大気汚染等の環境問題を契機として燃費規制が一層強化されており、自動車軽量化ニーズが高まっている。このため、中国市場におけるパネル材の需要は今後急速に拡大する見通しとなっている。

 現在神戸製鋼は、中国市場へのパネル材の供給を真岡製造所からの輸出で対応しているが、日々増大する自動車メーカーからの現地供給要請に応えるためには現地生産化が必要と判断し、今回の決定に至った。

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