ポストスマートフォンのウェアラブル端末が普及するための鍵とは

2013年9月21日 20:38

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記事提供元:エコノミックニュース

ウェアラブル端末が普及するための鍵はラピスセミコンダクタのような半導体企業が握っている。

ウェアラブル端末が普及するための鍵はラピスセミコンダクタのような半導体企業が握っている。[写真拡大]

 昨今、ポストスマートフォンとして急速に注目を集めているのが、ウェアラブル端末だ。メガネや腕時計、イヤホンなど、今までにも存在した身につけるギアをコンピュータ化したウェアラブル端末は、スマートフォンよりもさらに直感性や即時性に優れていると期待されており、スマートフォン市場が飽和状態になりつつある今、成長が期待されている市場のひとつだ。

 矢野経済研究所が先般発表した「スマートグラスとスマートウォッチに関する調査結果 2013」によると、Googleの「Google Glass」Microsoftの「Xbox SmartGlass」などに代表される世界市場規模は、2013年はメーカー出荷台数ベースで45万台を予測。2014年末以降は参入事業者の本格的な市場参入が始まるとみられ、2016年は1,000万台規模に達すると見込まれている。

 また、7月に世界各国で商標登録が行われたことが発覚し、近々発売するとの噂が上がっているAppleの「iWatch」に代表されるスマートウォッチの世界市場規模は、2013年ですでに1,000万台を予測、2016年は1億台規模に及ぶと見られている。

 見た目のインパクトや話題性ではスマートグラスだが、装着時の安全確保や、そのための法整備などの課題が残っていることから、市場としてはスマートウォッチの方が市場にも投入しやすく、現時点ではウェアラブル端末の本命と考えてよいだろう。

 ウェアラブル端末が普及するための鍵は、使いやすさやアプリはもとより、バッテリ寿命が鍵になると言われている。確かに、いくら便利なものでもバッテリ寿命が短ければ、不便なことこの上ない。最初は物珍しさで普及しても、それが持続することは難しいだろう。ウェアラブル端末が一過性のブームで終わらない為には、バッテリ寿命の長期化と、そのための低消費電力化が求められている。

 これに伴い、集積回路(LSI)の開発メーカーも、低消費電流性能を持つLSIの開発に勤しんでいる。中でも、ロームグループ<6963>のラピスセミコンダクタがこのほど発表したML7105-002は、最新のBluetooth v4.0であるBluetooth® Low Energy対応の無新通信LSIであり、従来よりも大幅な電力削減を要求される最新Bluetoothにおいて、驚異的な低消費電力を実現している。従来品と比較した場合、平均電流(パケット送受信を一定間隔で繰り返す際のアクティブ状態とスリープ状態の電流の平均値)を半減させることに成功しており、バッテリの寿命を従来品の2倍に高めることに成功した。これにより同社条件では、コイン電池(CR2032)使用のBluetooth Low Energy対応機器でのバッテリ寿命が、24時間連続動作時でも2年間余裕をもって使用することが可能だという。

 同製品は、カシオ計算機のスマートウォッチ「BLUETOOTH WACH G-SHOCK」に採用されている。BLUETOOTH WACH G-SHOCKは、Bluetooth v4.0を介してiPhoneとペアリングを行うことで、多彩なモバイルリンク機能が利用できるウェアラブル端末。根強い人気のG-SHOCKと圧倒的な人気を誇るiPhoneの連携で注目が集まっている。今後、ヘルスケア機器やスポーツ&フィットネス機器などにも拡販していくという。

 ウェアラブル端末への期待は日本国内だけのものではなく世界規模だ。今後わずか数年のうちに、ウェアラブル端末が世界を席巻するのは想像に難くない。そして、その根幹を支えているのが日本の技術力なのだ。電気機器市場では韓国や中国など、アジア勢の進出が著しいが、この確かな技術力がある限り、日本はまだまだ巻き返すことが可能だろう。(編集担当:藤原伊織)

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