【編集長の視点】9月相場は『ベア』か『ベア』か?、『ブル』3割を日経平均株価構成銘柄の好配当利回り株でトライ=浅妻昭治

2013年9月2日 09:15

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

 いよいよ運命の9月相場がスタートした。のっけから米国のオバマ大統領が、シリアへの軍事介入を決定して、議員への説得を開始したことが伝えられるなど、「天下分け目」、「天王山」、「関が原」、「正念場」・・・・どんな修辞を並べても形容できないほどのエポック・メーキングな月を予感させる。シリアの軍事介入は、中東地域をさらに不安定化する懸念があり、この株価判断を世界で最も早く東京市場が、休場のニューヨーク市場に代わって行わなくてならないうえに、9月は、もとともと内外で重要イベントが目白押しとなっているからだ。

 重要イベントでは、とくに月初に6日に米国の8月の雇用統計が発表され、7日には2020年夏季オリンピックの開催都市が決定され、9日には日本の4~6月期のGDP(国内総生産)の確定値が発表されるなどとウエートが重い。8月の米国の雇用統計は、FRB(連邦準備制度理事会)が、量的緩和第3弾(QE3)の縮小を判断する最後の参考指標とされ、17~18日のFOMO(公開市場委員会)の決定を左右し、日本のGDP確定値も、安倍首相の消費税増税の政治決断に大きく影響することになる。イベントが、「吉」と出るか「凶」となるか、「売り」と出るか「買い」となるか、市況が大荒れするといわれる「2日新甫」の9月相場で試すことなるわけだ。

 思わず身構えて、足がすくむ感もないではないが、そうした難しく厳しい相場環境を前にしても、ホッと肩の力が抜ける日巡りに出会うことがある。大安吉日だった8月29日もそうした1日であった。この日に約2週間ぶりに新規株式公開(IPO)されたN・フィールド <6077> (東マ)が、公開価格の2倍強で初値をつけ、大引けは初値比ストップ高となり、大引け後にはパナソニック <6752> が、1年半ぶりの今3月期の中間配当の実施を発表した。集中豪雨が頻発する異常気象下で、束の間の晴れ間をみた思いにしてくれた。

 こうした大安吉日が、9月相場にも何回か訪れてくれれば、8月相場の超閑散・警戒ムードの「ベア(弱気)」が、少しは緩和して「ブル(強気)」に染まり強弱感拮抗などに変わってくる可能性もあり、買い意欲も出てくることになる。「陰が窮まれば陽に転ずる」で「買いたい弱気」が「買いたい確信」に徐々に転じる「ブル」3割程度の相場対処の展望も拓けてくる。こうした相場対処で参考になるのがパナソニックである。中間配当5円を復配しただけで、株価は、1日に5%も急伸し、今年8月の戻り高値に急接近し年初来高値を視界に捉えたのである。9月は、3月期決算会社の中間配当の配当権利取りの最終月となっており、パナソニックの歓迎高は、この配当権利取りが、9月の投資スタンスとして十分に有効であることを示唆しているともいえるわけだ。

 問題は、この際のターゲット銘柄の選定になる。もちろん好配当利回りランキングをリサーチして、この上位銘柄から順に買っていくのも有効である。しかし、ここでは少し工夫をしてみたい。配当権利取りは、インカム・ゲイン狙いだが、あわよくばキャピタル・ゲイン(値上がり益)も狙う「二兎を追う」投資アッタクをしてみたいのである。9月に目白押しの重要イベントが、「吉と凶」、「売りと買い」の「吉」、「買い」に好転した場合にも、値幅効果も期待できる好反応しそうな銘柄に的を絞るということである。そうした選択基準で投資銘柄をセレクトして浮上したのが、日経平均株価の構成銘柄のうちの好配当利回り株である。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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