血液サンプルから自殺行動を予測する研究

2013年8月22日 13:07

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 米インディアナ大学の研究グループが、自殺リスクを測定できる「バイオマーカー」を突き止めることに成功したとのこと(論文要旨Nature本家/.)。

 研究では同大学の長期調査に参加した双極性障害の男性のうち、自殺願望が全くない状態から自殺のリスクが非常に高い状態へと変化した9名の男性の血液細胞から遺伝子発現の変化を分析するなどして、「自殺行動を起こしやすい」というバイオマーカーを絞り込んだという。最終的にバイオマーカーは6個までに絞り込まれ、心的状態および精神状態の臨床測定とこれら6個のバイオマーカーを組み合わせることで自殺による入院予測の正確性は65%から85%へと向上できたという。

 複数段階におよぶ厳密な分析を行うため今回の研究では少人数を対象としたとのことで、研究グループは次のステップとして一般の人々や鬱病や死別などによるストレスに苦しむその他のリスクグループへと対象を広げたいとしている。

 自殺は精神疾患だけが原因ではなく、様々な要因が複雑に絡み合う行動とのこと。自殺を企てる人がカウンセリングにてそれを打ち明けたりどこかに助けを求めるとは限らず、自殺リスクを予測できる何らかの指標を打ち出せれば救える命も増えるかもしれないとのことだ。

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