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電気料金9月に相次ぎ値上げ 人件費に不満
経済産業省は東北電力、四国電力、北海道電力の9月1日からの電気料金値上げを6日、認可した。値上げ幅は東北電力が一般家庭向け電力料金で8.94%、自由化部門で15.24%。四国電力が7.8%、自由化部門で14.72%、北海道電力が7.73%、自由化部門で11%と、いずれも大幅アップになっている。
値上げに伴う人件費については認可を受けるための修正申請後の額で東北電力が1218億円、四国電力で479億円、北海道電力で505億円となり、従業員1人あたりの年間給与は東北電力が596万円。四国電力が615万円。北海道電力が624万円となった。
経済産業省では一般的な企業平均値と類似公益企業の水準平均まで料金原価から削減などを図ったと認可条件での修正指示をしたが、値上げ申請に対する公聴会や国民の声では北海道電力には「人件費は同種・同等による比較ではなく、地域における給与水準と比較して同程度にすべき」「大企業と比較して多い少ないといったレベルで議論しているのではまったく努力不足」などの声が寄せられた。
四国電力に対しては「一般労働者は四国電力の社員並みには到底及ばない」「東京に本社のある企業と比較して少ないといわれても到底納得できるものでない」。東北電力に対しては「年収が高すぎて話しにならない」「報道されている電力会社の給与額の高さには驚き、あきれるばかり」「各地域における給与水準と比較して同程度とするのが妥当」など給与水準引き下げや給与水準が高すぎるとの批判の声が多かった。当然といえば当然だが、電力市場の自由化が進まない限り、地域独占状態で競争にさらされない特異な状況が続く限り、こうした批判や不満は解決されそうにない。
経済産業省では「原価算定期間中の従業員1人あたりの年間給与水準(東北電力では642万円)は1000人以上の正社員をかかえた企業の平均年収(592万円)に、やはり1000人以上規模の公益5業種(ガス・水道・鉄道・通信・航空)の平均年収に、東北電力従業員の勤続年数の構成や勤務地域の実態を加味し、これらを単純平均した」などとしているが、きわめて客観的で一見公平と見られる算定方式のようだが、「各地域における給与水準と比較して同程度とするのが妥当」などの意見の多さを踏まえても、地域での独占状態が解消されるまでは大企業並み給与で十分ではないか、国民の理解が得られる見直しに政府の英断が求められているといえよう。(編集担当:森高龍二)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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